2018年01月24日

一歳児塩中毒死事件と略式起訴の当否


ネット上,次の記事が配信されていた。こんなコメントを考えた。

■「女児塩中毒死で略式起訴 業過致死罪で元経営者」日経(2018/1/23 19:11)  

 盛岡市の認可外保育施設で2015年8月、預かっていた下坂彩心ちゃん(当時1)に食塩入りの飲料を飲ませ、塩化ナトリウム中毒で死亡させたとして、盛岡区検は23日、業務上過失致死罪で、施設の吉田直子元経営者(34)を略式起訴した。元経営者は昨年7月に傷害致死容疑で逮捕されたが、同8月に処分保留で釈放されていた。両親は、食塩を無理やり飲ませられた可能性があるとして傷害致死罪の適用を求めたが、盛岡地検は傷害や暴行の故意は認められなかったとして、業務上過失致死罪とした。
 両親の弁護団によると、父親は「ここまで待たされて、業務上過失致死罪で罰金という結果は絶対に許せない」と話しているという。弁護団は真相解明のため、正式裁判を求める意見書を盛岡簡裁に提出した。
 起訴状によると、元経営者は、15年8月17日午前10時半ごろから同18日午前0時5分までの間、彩心ちゃんに食塩を加えた乳児用飲料を与え、中毒死させた。1歳児は腎臓が発達しておらず、食塩は与えないかごく少量にとどめるべき業務上の注意義務があったのに、怠った。〔共同〕

■次のような感想を持っている。

(1)故意犯か過失犯か?
 故意に塩分を過剰摂取させたとすると,被告がそれまで事故なく乳幼児を預かっていたのになぜ犯行に及んだのか動機が不可解となる。傷害致死罪で起訴すれば,裁判員裁判となるが,市民の目線からみて動機が不可解であれば傷害の故意が証明できなくなり無罪となってしまう。
 塩分の過剰摂取が乳幼児の死を招くという理解は社会でも案外広まっていなかったのは事実で,被告が被害幼児に軽率に塩分を与えた疑いも残る。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従い,検察が不注意による事故としての処罰を求めたのはやむを得ない選択だ。
(2)検察庁の説明責任
 ただ,検察は公訴権を独占しているのだから,傷害致死罪で逮捕しながら業務上過失致死罪で起訴した理由の概要は社会に説明する,いわば政治的な責務がある。
 被告のプライバシーと更正にも配慮が必要であるが,被害者遺族と社会に対しても正義の実現がなされたのかどうか,踏み込んだ説明が要る。
(3)被害者参加手続の拡張〜公訴権行使の規制
 略式起訴の場合,被害関係者は記録閲覧,裁判傍聴,裁判参加などができなくなる。また不起訴処分に対しては検察審査会が再検討する機会を持てるが,起訴のあり方について被害関係者が意見を述べる機会がない。検察からは小さな事件でも,市民にとっては許されない犯罪が略式起訴で処理されることも多く,正式裁判の請求を被害関係者にも認めるなどの法改正を検討するべきである。
posted by justice_justice at 06:20| ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする

2018年01月20日

T.K.A.M〜『アラバマ物語』〜To Kill A Mockingbird

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 アラバマ物語の映画は有名。
 黒人が強姦の罪を問われ,被害者の証人尋問で,被害供述が嘘であることが明白なのに,なお有罪を宣告する陪審員たち。そんな中で,スカウトが成長していく。

 ツグミは撃つな。エアライフルを長男に渡すときの言葉だ。理由を叔母が理由を説明した。ツグミは,人が楽しむさえずりをするだけだから・・・
 表題につながる部分なのだか,実は,なんのことだか,よく分からない。

 だが,南部のありふれた町のたたずまい,そこで成長する子供達,それと隣り合わせている黒人差別,その不正をただす白人弁護士・・・
 アメリカ文学の古典らしい色調である。

 死ぬまでにもう一度読めるかな。

posted by justice_justice at 09:34| ●教養ー読書 | 更新情報をチェックする

2018年01月19日

学者のランク付け方法

  学会や研究会で、学者の値踏みをよくする。報告を聞いていない証拠であり、こんな学者が三流であることは、当然の前提である。
   質問によって、分類する。
  報告に対して、即時に、「なるほど!」と唸らせる質問をする学者が一流。どう消化していいか、思いあぐねて学会二日目になってようやく「なるほど!」と思える質問を思いつくのが、二流の学者。
   学会が終わってしばらくして「なるほど」と思われる質問に思い当たるのは、三流以下の学者。
    学会報告直後に、さも尤もらしくどうでもいい、非本質的な質問をするのは、「似非学者」とか「おしゃべり学者」とか分類する。
posted by justice_justice at 07:39| ■刑事訴訟法一般 | 更新情報をチェックする