2015年08月21日

二重事故の過失責任ー後続車の運転手に課される注意義務とは?

「三条・死傷多重事故/後続車の女性/2年半後に一転起訴/先行車の判決受け/地検」新潟日報(朝刊)2015/07/05は,こんなタイトルで,次の事件を紹介している。記事を引用する。

 「三条市の北陸道で2011年に2人が死傷する多重事故があり、一度不起訴となった女性が約2年半後、一転して自動車運転過失致死罪で新潟地検に在宅起訴されていたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。
 起訴されたのは新潟市中央区の無職女性被告(53)。居眠り運転で最初に追突事故を起こした男性(32)=有罪判決確定=の後続車を運転し、死亡女性=当時(45)=の車に衝突していた。男性の判決で被告の過失に言及があり、遺族側が検察審査会に審査を申し立てた。検察は議決前に判断を覆し、異例の起訴に踏み切った。
 新潟地検は「先行車両の裁判で被告の過失もあると指摘され、検審への申し立てもあったため再捜査した。不起訴の判断は結果的に捜査が不十分だったと思うが、再捜査で起訴に至った」と説明。」

 遺族側は「被害者の気持ちを考えれば最初から起訴してほしかった」としている。被告は無罪を訴えている。
 事故は11年7月8日、三条市の北陸道上り線で発生。長岡市の女性の軽乗用車に、居眠り運転の男性のトラックが追突。さらに後続の被告の乗用車が衝突した。被告も軽傷を負った。
 県警は12年2月に両名とも自動車運転過失致死容疑で書類送検したが,男性のみ起訴されて13年3月には有罪が認められたようだ。その判決内容中,女性についても過失を認める言及があったと記事は言う。
 「判決で、女性の死亡に関する被告の過失は「相当にうかがうべき」とされ、遺族側が検審に申し立てた」。
 その結果,新潟地検が検察審査会の議決を前にして,14年12月に一転起訴したという経過だ。
 今回の起訴状では,女性も,制限速度を守らず走行し、事故で止まっていた軽乗用車に衝突後、道路に出ていた女性にぶつかり死亡させたとしているという。
 事件の詳細,証拠の詳細が分からなければなんとも言い難いのだが,先行車両が事故を起こしたとき,後続車両の運転手には,その事故の被害を拡大しないで,かつ自車が巻き込まれないようにする,特別な状況に置かれてしまう・・・今回の事故でも,予見可能で,回避可能であるし,かつ,この女性に科すべき結果回避義務がはたして市民社会がなっとくできる形で,構成できるのだろうか・・・・。審理の行方がわかるといいのだが。
 こんなコメントを出した。
<検察は証拠開示を 渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話>
 過失の捉え方は市民と法律家の目線では異なることがある。検察審査会の議決前に起訴されたとはいえ、検審の公訴権に対する監視機能が働いたケースではないか。ただし、起訴までに時間がかかると、証拠が散逸したり当事者の記憶があいまいになったりして、冤罪(えんざい)を招きかねない。遅すぎた起訴は被告の負担も大きい。検察は十分な証拠開示をして、法廷で真相に迫るべきだ。
posted by justice_justice at 20:41 | TrackBack(0) | ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする

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