2014年04月28日

■ある日曜日の過ごし方ー文楽座のひととき

 日曜日といっても休日にはならない稼業だ。早朝からいつものように大学に行く。中庭にある学園創始者の像に一礼して研究室に入る。校務関係の事務処理をする,次週取材の準備のため新聞記事などに目を通し下書き原稿を作る,月曜日の講義の下調べで教材を再度読み直し,講義で指摘する箇所をチェック。講義進行メモを作る,それから研究固有の時間となる。今は論文集の校正が忙しい。ランチの手弁当も仕事をしながら済ませる。
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これも何十年来のこと。1984年ー86年とコーネル大学に留学中もキャレルでランチを済ませるのがいつものことであった。膨大な量のアサインメントを読みこなさなければならないから,と思いながら,終えたランチの後の眠気。つい負けてしまってしばらくうとうとする。はっと気付いてまた原稿に目を通す。そんなことをしていると,はや午後2時過ぎ。
 今日は,大阪の文楽座に出て,竹本住大夫の「引退狂言」となる「菅原伝授手習鑑」を観劇する予定。キャンパスを出る前に,法科大学院棟の自習室の巡回をすませる。それから,阪急電車,地下鉄と乗り継いで,日本橋駅から文楽座へ。
 演目は,七世竹本住大夫引退公演,『菅原伝授手習鑑』。道真(菅丞相)と梅王丸・松王丸・桜丸という三つ子一家の物語。
 住大夫は引退の挨拶で89才と紹介。「桜丸切腹の段」で義太夫を語る。これが大阪での引退公演という。内容は,道真流罪のきっかけを作った桜丸が父親喜寿の祝いの日に事情を父に語り妻に説いて切腹する悲しい場面である。古老の父と妻,桜丸を演じ分ける名演技。浄瑠璃のリズムは,いわば江戸時代のジャズ。表情の豊かさとテンポの巧みさ,なにより日本人の感性にあうリズム。人形の動きもさることながら,ついと義太夫の歌い手達に惹きつけられる。
 歌舞伎も浄瑠璃も観客席からの「掛け声」はおそらく約束事があって,さくらがきまっており,適切なタイミングで掛け声をかけるのだろう。住大夫が義太夫の本を手にして一礼する前後に「住大夫!」と掛け声が見事にかかる。演目が終わった休憩時間に引退のあいさつ。花束を贈ったのは,簑助とその抱えた桜丸。
 午後4時に開演し,最後に「寺子屋の段」を見終えたのが午後9時。見応えがあった。中休みに,劇場で売っている助六寿司を妻と分けて食べるのも観劇の楽しみのひとつ。夕方から夜まで半日を文学座で過ごして家路に着いた。
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posted by justice_justice at 07:31 | TrackBack(0) | ●教養ー一般 | 更新情報をチェックする

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