2014年03月30日

■オウム真理教元信者の裁判員裁判「異聞」ー証人尋問と遮へいの弊害

■「核心/オウム平田被告に懲役/駆け足判決究明甘く/裁判員考慮、審理2カ月弱」
2014/03/08 東京新聞朝刊 3ページ 1348文字 PDF有 書誌情報
 オウム真理教元幹部平田信(まこと)被告(48)の公判は、類を見ない組織犯罪に裁判員が初めて向き合った。審理に数年かかることも珍しくなかったオウム裁判だが、
 東京新聞が,平田信事件について,すこし異なる資格から分析をしている。
 項目をふたつ引用する。
***引用***
 ■短縮
 過去のオウム裁判で、死刑判決を受けた元幹部は十三人。一審判決が出るまでの審理期間の平均は五年四カ月だった。平田被告と同じ懲役九年の判決だった元信者の一審の審理は一年八カ月を要した。
 長すぎるオウム裁判に、被害者や遺族らの不満の声が高まり、争点を絞り込む公判前整理手続きを導入するきっかけに。刑事裁判の審理期間は大幅に短縮した。現在は連続殺人事件など重大事件も裁判員裁判で裁かれ、最長でも三カ月で判決が出ている。
 オウム裁判の傍聴を続けてきたジャーナリスト江川紹子さんは「オウム事件のようなカルト犯罪に裁判員裁判はなじまない。被告の心理状態を丁寧に見るために、時間をかけて審理すべきだ」と語り、「平田被告の裁判は効率重視。なぜ教団の犯罪が起きたのか、深く掘り下げられなかった」と疑問視する。
********
 江川さんのコメントは興味深い。ブログ編者も,同感だ。形式と手続に縛られた刑事裁判よりも,カウンセリングルームで,みんながあつまり,自由に意見を交換し,質疑し,討論する,,,その中で,当時,なにが麻原彰晃元教組の魅力であったのか,なぜ犯罪集団になってしまったのか,なぜ地下鉄サリン事件であったのか,さらに,長期間の逃亡を支えたものはなにであったのか,さらには,今の社会をどう観ているのか,将来,社会に戻ってどうしたいのか,,,,フリーな検討会のほうが事件を深く理解するのにはなじむ。
 ただ,刑罰権を行使する理由を確認する場である以上,検察官の主張,証拠,手続を保障することがえん罪と加重処罰を回避するベストな方法であろう。

***引用***
■変容
 法廷内の風景も様変わりした。かつてのオウム裁判では傍聴席から証人の様子を見ることができた。今回は証人出廷した十五人のうち、死刑囚三人を含む元信者ら八人の尋問で、傍聴席との間についたてが設けられた。死刑囚はついたての撤去を求めたが、退けられた。
 ついたてによる証人の遮蔽(しゃへい)措置は、性犯罪被害者や暴力団犯罪関係者を想定し、二〇〇〇年の刑事訴訟法改正で導入。当初は年間千人前後だったが、一二年には千七百人超まで増加。「被害者など証人の『顔を見られたくない』という意向が強まっている。昨年十月には法廷内が隠し撮りされた。インターネットが普及し、証人のプライバシー侵害の恐れも増している」とベテラン裁判官は背景を説明する。
********
 この点について,次のコメントを出している。
■コメント
 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑訴法)
 「憲法は裁判の公開原則を定めているのに、裁判所はついたてを安易に使いすぎる。死刑囚の意向に反して設けたのは職権乱用であり、遮蔽措置の必要性を吟味すべきだ」
posted by justice_justice at 06:25 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。