2014年02月16日

『永遠の0』ー「宮部久蔵」の世界観

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 太平洋戦争末期,鹿屋から飛び立ったたくさんの海軍航空隊の特攻機。その一機に乗った小説の主人公,宮部久蔵。
 内地に残した妻と娘のところにもどるため,最後まで「活きる」覚悟を決めつつも,自ら「特攻のための操縦」しか教えずに飛び立たせた教え子達。映画では,その援護を鹿屋の基地から沖縄沖まで続け,教え子が海の藻屑と消えるのを見ることとなる。やがて,彼は,自らが特攻に加わる決意をする。岡田准一が迫真の演技をする。
 そんな小説の主人公と類似の思いを抱いていた者が当時前線にたくさんいたと思う。
 戦後,現代になってから,その宮部の実像に孫達が迫ろうと決意する。フリージャーナリストの姉・佐伯慶子を吹石一恵が演じ,最初は,いやがりながらも,祖父の実像が見えるにつれて,のめりこんでいく弟,佐伯健太郎を三浦春馬が演ずる。弟は,実は,司法浪人だ。
 最後に,特攻で死ぬことを選んだ祖父は,出撃の前に,自機がエンジン不調と気づく。この機を一緒に飛び立つ若者の21型機と交換する。そして,不時着を余儀なくされる彼の命を守る。そんな事実が取材を通して分かる。
 その若者が,戦後,宮部の残した井上真央演ずる妻,松乃と風吹ジュン演ずる娘・清子を探し当てて,再婚するーー−。
 宮部は,妻との約束を守った。「腕を失い,足を失い,そして命を失っても,必ず戻る」と。
 「物語は紡がれる」と,松乃を失った祖父が,孫達と娘に語る。

 これは映画として秀逸の名作だ。手元に置きたい映画だ。
 小説はしばらく読まない。映画のダイナミズムが失われるからだ。
 鹿屋と知覧。このふたつの地名は,靖国神社の場所とともに,国民が深く胸に刻み込んで置きたい。

posted by justice_justice at 04:05 | TrackBack(0) | ●教養ー映画 | 更新情報をチェックする

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