2014年01月30日

■『1人殺害』と死刑の当否(上)ー岡山の裁判員達の決断

■「派遣社員強殺/死刑求刑/『非人間的、いまだに無反省』/検察側=岡山」
読売新聞2013/02/09(大阪,朝刊)
市民=裁判員が,目の前にいる被告人に死刑を宣告する場面。
 裁判員裁判導入にともなって,否応なく法廷でみられる光景である。
 その一コマを上記新聞記事が紹介した。強姦を含む強盗と殺人。女性の人格を踏みにじった心の殺人を犯した上,さらに命乞いをする被害者を殺害するー命そのものを断つ。さらに遺体を岡山から大阪へ運んで損壊し捨てる。死への尊厳も踏みにじった犯罪。
 こんな場合でも,官僚化された裁判官集団は,全国の量刑相場に照らして,おおざっぱにみて,1人殺害であれば,特段の事情がない限り,無期懲役を選ぶことが多かった。
 市民の登場が,裁判官の居心地のよさを約束する量刑相場を打ち破ることとなった。
 その事件を裁くその裁判限りの裁判員達。
 彼ら・彼女らは,この事件の証拠をみて,この事件の特殊性を評価して,彼ら・彼女らのそのときの良識にしたがって,良心的に,あるべき刑罰を選択する。
 その選択を可能とするためにも,逆に,検察官は死刑の余地がある事件であれば,自己抑制することなく,死刑選択の可能性を示さなければならない。
 この事件で,検察官が死刑を求刑したのは,裁判員裁判時代の当然の選択である。
 
***引用***
◆被告「最も重い罰受ける」 
 岡山市で2011年9月、同市の派遣社員加藤みささん(当時27歳)から現金などを奪って殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた元同僚の住田紘一被告(30)の裁判員裁判で、検察側が死刑を求刑した8日、住田被告は「今の私に出来るのは、最も重い罰を受けることしかない。本当に申し訳ございませんでした」と述べた。一方、弁護側は無期懲役を求めており、裁判員は難しい判断を迫られる。判決は14日の予定。
 約1時間にわたる検察側の論告を、住田被告は前を見据えて聞いた。検察側は、1983年に最高裁が示した死刑の選択基準(永山基準)を基に求刑理由を説明。「あまりに非人間的。これほどの重大犯罪を犯した被告には、死刑を選択するほかない」とし、公判中に殺人を肯定する発言などを翻したことについては「刑を軽くするため、うそをついた可能性がある。いまだに無反省だ」と厳しく指摘した。
 弁護側は最終弁論で、住田被告がいったん殺人罪などで起訴された後、乱暴目的だったことを明かしたことに触れ、「被告は死を覚悟して告白した。自首にも匹敵する」とし、発言の変化については「命をもって償うという反省の現れ」と訴えた。そして「少しでも躊躇(ちゅうちょ)する事情がある場合、極刑は許されない」と死刑回避を求めた。
 求刑に先立ち、加藤さんの母親らが意見陳述を行い、母親は「住田被告はうその供述をするなど、私たちをどこまで苦しめるのか。自分の死をもって償いなさい」と声を絞り出した。
******

 求刑段階であるが,当時,次のコメントを出した。
■求刑について、渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)は「市民の良識で犯罪の悪質性を考慮すれば相当。強姦が被告の自白によって判明したことを考えても、死刑求刑はやむを得ない」とした。
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posted by justice_justice at 06:18 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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