2014年01月24日

■検察官の求刑の姿勢ー裁判員裁判と無期懲役

■「生駒・強盗殺人/無期懲役/遺族『納得できない』」
読売新聞2013/03/06(大阪,朝刊)

***引用***
 ◆判決要旨 
【主文】
 被告を無期懲役とする。
【認定事実】
 2011年6月21日、交際相手の母親・井口清美さん(当時60歳)が住む生駒市内の被害者方に侵入。金品目的で殺害し、キャッシュカードなどを奪った。自宅で遺体を切断し、一部を同市内の竹やぶに埋めるなどし、遺体を損壊、遺棄した。奪ったカードで現金を引き出した。
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 この事件の被告人が起訴されたのは,無職の60歳の女性であり,交際相手の実母の殺害などである。
 実家に出入りできる状態を利用した悪質な犯罪であった。しかも,遺体を損壊して遺棄し,犯行の隠蔽を図った。事件後も被害者が生きているような工作をして混乱を生じさせた。
 だが,検察官はなぜか極刑を求刑せず,無期懲役に留めた。
 記事は,被害者の娘3人の談話と裁判員の感想を紹介する。
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 3人は閉廷後、奈良市内で記者会見した。強盗殺人罪が認められたことを評価する一方、「残忍な犯行で、極刑でも足りないと思う」(次女)、「逆恨みした被告が仮釈放後に危害を加えてくる可能性もある。一生おびえて暮らさなければならないと思うとつらい」(長女)、「被告人質問で発言することが母にできる唯一の親孝行だった」(三女)と話した。
 裁判員と補充裁判員も地裁などで記者会見した。強盗殺人罪について被告が否認し、直接証拠がない中で判断したことについて、30歳代の女性は「『これが真実だろうか』と、心が揺らぐことも多かった。常識や自身の経験、数少ない証拠を一つひとつ、積み上げていくしかなかった」と語った。
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ある識者の談話はこうである。
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◆立証十分で判決妥当
 元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事訴訟法)の話「裁判員らは検察側が積み上げた状況証拠を社会常識に基づいて評価しており、妥当な判決だ。検察側は、『被告が犯人でなければ合理的に説明できない』という十分な立証ができたといえる。一方、被告の遺体損壊などについての弁解は常識的ではなく、裁判員を十分納得させる説明ではなかったということだ」
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 ブログ編者は,次のように述べた。基本的には,裁判員と裁判官に選択を委ねるためにも,死刑を求刑すべき事案であったと思っている。その上で,裁判員の良識と裁判官の経験値を加味して,厳正な処罰が選択されるべきではなかったか。
 すくなくとも,無期懲役でもよい理由を積極的に説明する義務を検察官は果たすべきであった。

■渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法) 「重大な罪を巡る裁判で、検察側が量刑判断の十分な材料を裁判員に示さなかったのは不適切だ。遺族が死刑を求めることも承知していたはずで、検察は、市民参加型の裁判について検討する必要がある」
posted by justice_justice at 07:28 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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