2014年01月21日

■平田信事件と死刑囚の証人尋問ー正々堂々たる裁判員裁判を期待して

■「再開・オウム裁判:きょうから死刑囚尋問」ーネット配信記事・毎日新聞 2014年01月21日 東京朝刊

 平田信事件の続報であるが,今日から,死刑囚の証人尋問がはじまるという。
 記事は,次のように紹介する。

***引用***
 東京地裁(斉藤啓昭(ひろあき)裁判長)で審理中の元オウム真理教幹部、平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判に21日、中川智正死刑囚(51)が証人として出廷する。2月上旬には井上嘉浩(44)、林(小池に改姓)泰男(56)両死刑囚の尋問も予定されている。教団の非合法活動の実態を知る3死刑囚が何を語るのか注目される。
 2011年に死刑が確定した中川死刑囚は元医師で、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(58)の世話をする「法皇内庁」トップだった。平田被告が逮捕監禁罪に問われている仮谷清志さん(当時68歳)監禁致死事件(1995年2〜3月)では、仮谷さんに麻酔薬を注射して死に至らせ、遺体を焼却したとされる。検察側は冒頭陳述で、中川死刑囚が平田被告に「(仮谷さんは)もういません」と伝えたと指摘している。
*****

 問題は,次の文だ。「死刑囚の尋問は異例で、裁判員裁判では初。地裁は死刑囚の心情の安定に配慮し、傍聴席との間に遮蔽(しゃへい)板を置くほか、不測の事態に備え防弾パネルの設置も検討している」。
 しかし,他の新聞などの情報では,証人等は,遮へいは嫌っているという。勝手な想像であるが,かつてオウム真理教の幹部として活動した誇りにかけて,彼らは正々堂々と自己の過去を清算し,謝罪すべきは謝罪する姿勢を取っているのではないか。
 これに対して,「死刑囚の心情保護」という観念論を振り回しているのは,法務・検察・公安警察ではないか。
 少なくとも,検察当局の見解として,証人予定の3名が,当局にも,遮へいなりビデオリンクを強く希望したといった報道には接していない。そして,その点の面会調査をしていないか,本人らの「不要だ」との意見に接しているか,どちらかだろうと勝手に推測する。
 裁判員裁判の正当性という点でも問題だ。
 証人本人等が,特別な配慮なく,堂々と,公開の法廷での証言を臨んでいるのに,これを無視して,裁判員が,裁判官に加担して,勝手に囲い込みをして証言を聞き,これを有罪無罪,量刑の材料にする,という事実は,残すべきではない。遮へいを認める要件にもそぐわない。
 なによりも,裁判員たる市民が,市民社会にかつて起きた,「テロ犯罪」にどう立ち向かうか,真しに検討するべきときに,国家権力を支配する官僚組織の意向の介在を許してはならない。

 もうしばらくすると証言がはじまる。
 次のように望む。
 第1に,弁護人から,遮へいなどの措置への異議申し立てを強く期待したい。
 第2に,裁判官は,裁判員もまじえて,その当否を検討するべきだ。訴訟指揮に関する事項に,裁判員の発言権・決定権は保障されていないが,彼らの意向を無視した訴訟指揮はするべきではない。
 第3に,裁判員らが,遮へいの措置不要とする賢明な判断をプロ裁判官に示す勇気を期待したい。

 市民参加の正義を実現する場にふさわしい,そして,我が国の未曾有のできごとであるオウム真理教関連事件の裁判員裁判にふさわしい証人尋問を強く望む。

posted by justice_justice at 08:01 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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