2014年01月14日

■川崎・集団強姦犯逃走事件(3)ー犯人逃走と犯罪の成否

報道によると,杉本容疑者の逃走には,友人等の助けがあったようだ。
以下,引用する。
***引用***
■川崎・容疑者逃走:友人が手助けか 杉本容疑者、46時間後に逮捕
毎日新聞 2014年01月10日 東京朝刊
 横浜地検川崎支部(川崎市川崎区)から逃走した同市多摩区宿河原、無職、杉本裕太容疑者(20)が9日、46時間半ぶりに発見され改めて集団強姦(ごうかん)容疑などで逮捕された事件で、神奈川県警は杉本容疑者が逃走中に知人の携帯電話を入手していたことを明らかにした。逃走直後に知人のスクーターに同乗して同級生宅などに向かった疑いも浮上。県警は友人らが逃走を手助けしていたとみて事情聴取を進め、経緯を調べる。【河津啓介、一條優太】
 杉本容疑者は、地検川崎支部から南西に約20キロ離れた横浜市泉区和泉町の和泉川河川敷で発見された。
 県警によると、杉本容疑者には所持金がなく、現場周辺で目立った衣類や現金の窃盗事件も発生していないため、協力者がいるとみて捜査。杉本容疑者が小中高校時代を過ごした川崎市北部を中心に、友人ら20人以上から事情聴取していた。
 その過程で8日、逃走中の杉本容疑者が知人の携帯電話を所持していることが判明。9日早朝から携帯電話が発する電波をもとに位置情報の割り出しを進めたところ、横浜市西部の泉区、瀬谷区付近にいることが分かったという。
 さらに9日未明、中学時代の友人の車が川崎市から泉区、瀬谷区に移動していることを把握。同日午前には瀬谷区で中学時代の友人男性2人(ともに20歳)が乗っているのを発見した。
 これらをもとに両区に捜査員を大量投入したところ、県警泉署員が東海道新幹線線路近くの和泉川河川敷で杉本容疑者を発見。川に入って20メートルほど上流に逃げたが、向かい側から別の泉署員2人が挟み撃ちのように駆け付けたため観念し、本人であることを認めたという。
*******
 では,【Q】3:本人が逃走したことは犯罪か。
■いくつか関連条文を掲げる。
 第97条(逃走) 裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。
 第103条(犯人蔵匿等) 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 第60条(共同正犯)二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
 第61条(教唆)人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
 第62条(幇助)正犯を幇助した者は、従犯とする。
■こう整理できる。
(1)本人が,逮捕後,まだ勾留されていないとき,つまり,裁判官・裁判所の「裁判」を根拠とする身体拘束から逃げたといえないときには,逃走罪は成立しない。
 逮捕状も一種の裁判なのだが,性質上,『許可状」であって,捜査機関が裁量によって執行するかしないかを判断できる性質のものだ。だから,「裁判の執行による拘禁された」ものではない。
(2)犯人蔵匿,犯人隠避の罪は,その犯人自身は含まれないのが当然である。
 ただ,今回は報道によると,友人などの助けがあったようだ。バイクによる逃走,携帯電話の入手,着替えの入手などなどが報道されている。
 もし,知人・友人が,容疑者(被疑者)として逃走中であることを知りながら,なにがしかの手助けをした場合には,犯人蔵匿または隠秘として処罰される。
 そして,友人・知人等に事情を打ち明けて助けをもとめた場合,容疑者(被疑者)本人は,「正犯」としては処罰できないものの,教唆犯としては処罰できる。自分を助ける友人・知人が助けやすいように協力した点を幇助に問う余地もある。
posted by justice_justice at 07:03 | TrackBack(0) | ■事件ー捜査から起訴まで | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。