2014年01月09日

■「死刑囚」オウム真理教元信者達の証人尋問ー「密室裁判」か「公開法廷」か(中)

■「平田被告の公判/オウム死刑囚尋問 公開へ/東京地裁/検察異議を棄却」
読売新聞2013/06/18(朝刊)
***引用***
 オウム真理教の目黒公証役場事務長拉致事件などで起訴された元教団幹部・平田信(まこと)被告(48)の公判前整理手続きが17日、東京地裁であり、斉藤啓昭(ひろあき)裁判長は、井上嘉浩死刑囚(43)ら元教団幹部の死刑囚3人の証人尋問を地裁の法廷で行うことを決めた。確定死刑囚が拘置所の外に出て、公開の法廷で証言するのは極めて異例。
 検察側はこれを不服として同日、地裁に異議を申し立てたが、棄却された。今後、最高裁への特別抗告も検討するが、地裁の判断が覆ることはないとみられる。
 公開法廷での尋問が決まったのは、井上死刑囚と中川智正(50)、小池(旧姓・林)泰男(55)両死刑囚。
 検察側は、平田被告が起訴された事務長拉致事件、東京・杉並のマンションで起きた爆弾爆発事件の立証のため、3人を証人申請。この際、「拘置所から出て傍聴人の目にさらされれば、死刑囚が精神的に不安定に陥るかもしれない」として、尋問は3人が収容中の東京拘置所で非公開で行うよう要望していた。
 しかし、斉藤裁判長は「現時点で、例外的に裁判所外で尋問する必要性が認められない」と判断し、検察側と弁護側に説明した。憲法は裁判を公開の法廷で行うと定め、特に刑事裁判の公開を求めており、この原則に基づいたものとみられる。平田被告の弁護人も、「傍聴席から見えないよう仕切りを置けば、精神的な安定を乱すとは考えにくい」として、公開での実施を求めていた。公判は裁判員裁判で年内にも始まる可能性が高い。
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 ところで,公開裁判での証人尋問に反対する理由として,次のような見解を検察庁,法務省関係者がまともに議論しているのには驚く。
***引用(再)***
◆「教団 奪還する恐れも」 検察幹部ら反発 
 地裁の判断に対し、法務・検察は強く反発している。ある検察幹部は、「教団が、元幹部の死刑囚らを裁判所への移送や公判中に奪還しようとすることだって考えられる。尋問の公開が、こうした危険を超えて重要だとは思えない」と批判。別の幹部も、「判決を出すのに、必ずしも死刑囚の公開尋問が必要なわけではない。裁判所の姿勢は疑問だ」と話した。
 また、死刑囚の処遇を担う法務省矯正局の幹部は、「死刑囚が塀の外に出ると、諦めていた生きることへの執着が出て、心情が乱れることが予想される。尋問が終わっても、その後に逃げ出したり、拘置所職員の指示に従わなかったりした場合、裁判所が責任を取れるのか」と憤慨した。
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◆識者にも反対論があるという。例えば,「地裁の判断に疑問」と題して,元最高検検事の奥村丈二・中央大法科大学院教授の話が引用されている。すなわち,「地裁の判断は、執行まで安らかに過ごすべき死刑囚の心情が乱されることやオウム真理教の危険性を考えれば、疑問が残る。裁判員が拘置所に出向く負担を考慮した可能性もあるが、裁判員が現場検証に同行した事例もあり、過度な配慮は必要ない。刑の執行にも責任を負う検察は、特別抗告して最高裁の判断を仰ぐべきだ」

・ブログ編者のコメントはシンプルだ。
◆裁判員制度に沿う
 渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話「平田被告の公判は裁判員裁判になる見通しで、地裁の判断は、裁判員や傍聴人ら一般市民に公開の法廷で分かりやすい審理を行うことを目指した制度の趣旨にかなう妥当なものだ。事件から18年経過したが、公開での尋問となれば、3死刑囚の責任感も高まり、記憶を喚起して証言することを促すだろう」
posted by justice_justice at 00:09 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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