2014年01月02日

■未決勾留日数の算入ー思わぬミスの後始末

■「刑期20日/誤って差し引く/拘束せず勾留日数算入/神戸地裁支部」
読売新聞(朝刊) 2013/07/19 35ページ 644文字 書誌情報
***引用***
 「逮捕などで身柄を拘束されることなく、窃盗罪で在宅起訴された兵庫県西宮市の無職の男(66)に対し、神戸地裁尼崎支部の男性裁判官が、懲役1年の実刑判決を言い渡した際、誤って未決勾留日数20日分を刑期から差し引いていたことがわかった。裁判官の勘違いだといい、神戸地検尼崎支部は18日、『判決には法令違反がある』として大阪高裁に控訴した」。
 「男は昨年11月、同県尼崎市内のスーパーでみかんなど2点(566円相当)を万引きしたとして任意の取り調べを受け、今年5月16日、地検尼崎支部に在宅起訴された。この間、男は一度も身柄を拘束されたことはなかった。
 ところが、地裁尼崎支部は今月5日の判決で、男に対し、懲役1年(求刑・懲役1年2月)の実刑判決を言い渡した際、本来はないはずの未決勾留日数20日を「刑に算入する」と宣告。直後に誤りに気づけば、訂正できたが、検察・弁護側とも誤りを指摘せず、そのまま閉廷。その後、しばらくして検察側が誤りに気付いたという」。
******

■被告人が刑事裁判を受けて有罪判決を受けるとき,勾留されたままであった場合,「未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる」(刑法21条)。
 「未決勾留日数の本刑算入」という。
 一般的には,被疑者が逮捕されてから勾留され,そのまま起訴されて裁判の間は勾留が続くことがよくある。このうち,勾留の期間から,捜査と裁判に必要と裁判所が判断する期間を除いて一定の日数を刑期に算入するものだ。
 有罪ー実刑を覚悟しなければならない事件のときには,被告人にとって刑期は大きな関心事だし,未決算入の日数も大変気になるところだ。
 本件では,思いがけないミスが起きた。この結果,検察官が裁判所と協議の上と推測するが,控訴することとなり,裁判の確定が遅れる。被告人にとっては,はやめに収容されて刑期をはじめたかった場合もある。被告人には事実上不利益だ。
 控訴審でどうなったのか不明であるが,若干の刑の減軽を認めざるを得ないのではないか。こんなコメントを付した。

■渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)は「他の事件と勘違いしたのではないか。裁判官として初歩的なミスで極めて珍しいケースだ」と話している。
posted by justice_justice at 06:10 | TrackBack(0) | ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする

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