2013年12月24日

■家族の孤立ー21世紀日本社会の実像と変死事件の行方

■「【ニュース・インサイド】見えぬ母娘の実態/熊本少女遺体発見10日/窓目張り 児相知らず/警察と情報共有課題」 *西日本新聞(2013/10/01・朝刊)
 「熊本市東区の民家で、母親(58)と2人で暮らしていた三浦万理華さん=当時(15)=の遺体が見つかり、1日で10日となる。不登校だった万理華さんと母親の生活に何が起きたかを知る手掛かりは少なく捜査は難航。一方で今年1、2月に家の中を確認した警察官の情報が市児童相談所(児相)に伝わらなかったことも判明するなど、関係機関の課題も浮かび上がってきた」。
 上記見出しのもとに,こんな内容の事件が報道されている。
 しかも「死因特定できず」という。「母親は9月21日に福岡空港で保護されて以降、福岡県内の病院に入院しており、会話が成り立たない状態という。万理華さんの死因は、司法解剖でも特定できなかった。捜査関係者は『事件性の有無も判断できる状況ではない』としており、捜査は難航しそうだ」。
 
 記事を読むと,事件に至るまで,この家族には大変な状況があったようだ。
○児相などによると、万理華さんは小学5年から欠席が目立つようになった。
○家庭訪問した担当者が「学校に行きたいか」と問うと、万理華さんは恥ずかしそうにうなずき、母親も「登校させたい」と話した。
○小学校の卒業アルバムに「大学は医学部に入りたいです。しかしピアニストになることも考えています」と将来の夢をつづった。
○中学3年だった昨年6月以降、不登校。
○母親は、学校に万理華さんを欠席させる旨の連絡をし続けていた
○児相は2013年11月以降、学校や警察などと連携して13回の家庭訪問を実施。
○インターホン越しに万理華さんの声を何度か確認した程度だった。
○福岡県内に単身赴任中の父親(54)も帰宅を母親から拒否されていた。
○父親も今年2月を最後に万理華さんの声や姿は確認できなくなった。

 他方,虐待は認められず,母娘関係は良好だったとも判断されていたという。しかし,「今年1月と2月に母親は「泥棒が入った」などと110番。家の中に立ち入った警察官は、万理華さんの姿を見たのと同時に、部屋の窓ガラスに内側から粘着テープなどで目張りがしてあることを確認していた。
 児相によると、これらの情報は県警からもたらされなかったという。捜査関係者は「現場に行ったのは緊急通報を受けた警察官。児相から相談を受けている家庭だと把握しているわけではない」とするが、児相の梶井悟所長は「目張りなどは、異様な状況を知る貴重な情報の一つになったと思う。届かなかったことは残念」と話した」。

 こんな背景の事件捜査は難しい。母親の心の状態への配慮も要る。慎重な捜査がまだ続いていることと思う。
 上記新聞にこんなコメントを掲載した。

●甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「死因や遺体放置の詳細な事情が分からなくとも父親や周辺住民への聞き取り、現場や遺体の状況などの客観証拠で捜査を進められる」とした上で、「母親が適切な治療を早期に受けられる方法を優先すべきだ」と話した。
posted by justice_justice at 05:04 | TrackBack(0) | ■事件ー捜査から起訴まで | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。