■毒入りカレー事件異聞ー死刑囚と弁護人依頼権
死刑確定者として大阪拘置所に収容されている原告が、京都弁護士会所属の弁護士に対して再審請求事件(和歌山カレー事件)の弁護人への就任等を依頼する旨の手紙につき、発信願の申出をしたところ、これを不許可とされたことがある。原告は,再審弁護人の選任権を侵害されたとして国家賠償訴訟を提起した。
大阪地判平成25年10月17日(平成24年(ワ)第9822号)は,大阪拘置所長がした不許可処分は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律139条1項2号に違反するものであり、大阪拘置所長の職務上の法的義務に違背する違法なものというべきであるとした。
この判決について,次のようにコメントした。
■毒物カレー事件・国に賠償命令 甲南大学院教授 「高く評価できる」
NHKニュース(平成25年10月17日)
毒物カレー事件の林真須美死刑囚の訴えの一部を認め、国に賠償を命じたきょうの判決について、甲南大学法科大学院(コウナン)の渡辺修(ワタナベオサム)教授は「死刑囚は再審を請求する権利があるが、その場合、弁護士を選任する権利も憲法によって保障されている。死刑囚が直接、弁護士と交渉することが認められている死刑囚にとって最も大切な権利のひとつだ。そうした趣旨を認めた判決であり、高く評価できる」と話しています。
2013年12月19日
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