2013年01月25日

■国際テロリストと国外犯ー「国家警察」なき日本の限界

産経ニュース MSN(2013.1.25 11:09)
 「国外犯規定に基づき神奈川県警が捜査へ/現地情勢不透明、難航か」
 アルジェリア人質事件に巻き込まれて死亡し、25日に政府専用機で帰国したプラント建設大手「日揮」の日本人スタッフ9人については、日揮の本社が横浜市にあるため、今後は神奈川県警が司法解剖して詳しい死因などを特定する。県警は刑法の国外犯規定に基づいて、殺人や逮捕監禁容疑などで捜査する方針だが、現地の情勢は不透明なため捜査は難航しそうだ。
 警察当局によると、9人の遺体は羽田空港内で検視し、神奈川県内と東京都内の9カ所の病院で司法解剖して死因を特定するほか、殺害に使われた凶器についても特定を進める。
 県警は国外犯規定で捜査を進めるが、政治情勢や治安状況が不安定な国や地域へ捜査員を派遣するのは困難なうえ、日本の警察が国外で強制捜査に着手する権限はない。このため、現地の警察当局による容疑者の取り調べの立ち会いや情報交換などにとどまるのが実情となっている。
 今回の事件についても情勢が不安定なため、「現地の捜査機関がどれほど協力してくれるか、不透明な状況だ」(警察庁幹部)という。
 国外犯への刑法の適用は通貨偽造など日本の法益を損なう場合に限られていたが、平成15年に殺人や傷害、逮捕監禁、強制わいせつなどの凶悪事件にまで拡大。昨年8月に内戦状態にあるシリアを取材中に銃撃されて殺害された、ジャーナリストの山本美香さんの事件についても警視庁が捜査しているが、実行犯の特定などの捜査は難航している。
 警察庁は18日から、日本人がテロなどの被害に遭った場合に現地で情報収集や捜査支援にあたる国際テロリズム緊急展開班(TRT−2)を派遣、日本人犠牲者の身元の特定などの作業にあたってきた。

■「テロ犯人が、アルジェリアで、日本人を殺害する」。

 これは、日本の刑法上、殺人罪にあたる。
 当たり前といえば、当たり前だが、他方、グローバル化した「世界」は、まだ「世界法」が規律する世界ではない。
 「主権=国家」を単位に、国の及ぶ範囲が限定されている。日本の警察が、日本の裁判官の発した逮捕状を持参して、アルジェリアに乗り込んで、犯人を捜査し、その執行のため、アルジェリア人の住宅に踏み込むことは、、、できない。
 主権尊重。この国際秩序をやぶるとき、戦争を覚悟することとなる。
 さて。
 刑事訴訟法は、観念的には、世界に適用されていると解釈してよい。ただ、より強い力でその効力が阻まれている。繰り返すが、主権である。
 ただし、国内法上適法に捜査することができるから、アルジェリアの司法当局に対する捜査の協力、情報提供の要請、外交ルートでの了解を踏まえた捜査員の派遣と取調べなどへの立会などは、可能になる。
 ただし、当然であるが、これは、日本の警察が、そして、日本の国家が、国際テロリスト組織と直接対峙することも意味する。その覚悟と、これを遂行する力の保障を必要とする。
 とすると、なによりも、いち早く、警察庁のもとに執行部隊としての国家警察を創設するべきだ。自治体警察中心主義で、国際犯罪、国際テロには対応できない。
posted by justice_justice at 17:31 | TrackBack(0) | ■事件ー捜査から起訴まで | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。