2012年12月21日

■鳥取連続不審死事件(4/END)ー公判前整理手続と「黙秘権」行使の段取り

■「裁判長/弁護側に苦言/検察側/方針変更説明求める=鳥取」
 ○読売新聞(朝刊)2012/10/31
 男性2人を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた鳥取市の元スナックホステスU・M被告(38)の30日の裁判員裁判は、地裁(○○裁判長)で検察側がU被告に黙秘の理由などを質問するとともに、弁護側に黙秘に至った経緯の説明を求める異例の展開となった。
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 検察側は、2件の強盗殺人事件について、弁護側が犯人と主張する元同居人の男性元会社員(49)=詐欺罪などで服役し、出所=との関係などを質問。「弁護側は元会社員が犯人だとするが、証拠はあなたの話しかないのでは」「あなたの言い分を述べなくていいのか」などと、U被告の反応を確かめながら問いただしたが、U被告は沈黙を守ったままだった。
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 □甲南大の渡辺修教授(刑訴法)は「弁護側が被告の供述を基に立証を計画していたとすれば、急に黙秘に転じたことは理解に苦しむ。黙秘権そのものに対する不信感を強めることになるのではないか」と危惧する。
 一方で「弁護側の訴訟戦術と黙秘権の行使については切り離して考えるべきだ。質問に答えなかったことで、裁判員が悪い心証を持つことを防ぐためには、検察側質問は禁止されるべきだった」と話している。

■「U被告、黙秘貫く/検察の60問に答えず/鳥取連続不審死事件【大阪】」
 ○朝日新聞(夕刊)2012/10/30
 鳥取連続不審死事件で強盗殺人などの罪に問われた元スナック従業員U・M被告(38)の裁判員裁判の第16回公判が30日、鳥取地裁で開かれ、被告人質問があった。U被告は検察側の約60の質問に一切答えず、黙秘。このため午前10時過ぎから始まった被告人質問は、午後5時までの予定が大幅に繰り上がり、約40分間で終了した。
 検察側は、2009年に鳥取県内の海と川で、睡眠導入剤を飲ませた男性2人をおぼれさせて殺したとされる強盗殺人事件について質問。事件当時の同居人で、弁護側が公判で「真犯人」と名指しした元自動車セールスマンの男性(49)の証言に基づき、犯行現場近くでの様子などを矢継ぎ早に問いかけた。検察側は「事実と違うとあなた自身の言葉で述べなくてもよいのか」などと再三、供述を求めたが、U被告は一切、応じなかった。また、「真実から逃げているだけではないか」などの質問に対しては、弁護側が「検察官の意見にすぎない」と反論。○○裁判長も質問を制止し、やりとりのないまま終了した。最後に、裁判長が「裁判所からの質問にも黙秘しますか」と尋ねると、U被告は小声で「はい」と答え、うなずいた。

 □甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は、「黙秘権は、市民が有罪の疑いをかけられたときに自分を守る手段。黙秘の姿勢を表明している被告に検察からの質問を許しては、裁判員に『印象有罪』の心証を与えてしまう。黙秘権の侵害と言え、避けるべきだった」と指摘。「真犯人を名指しするなら、ある程度裏付けできる証拠を出す必要があった。裁判員も戸惑うのではないか」と話した。

■「(とっとりQ&A)連続不審死事件で黙秘権行使/憲法保障、刑事裁判の根幹/鳥取県」
 ○朝日新聞(朝刊)2012/11/05
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 Q 鳥取連続不審死事件で、裁判員裁判が続いてるね。そもそもどんな事件だっけ?
 A 2009年、北栄町沖の日本海と鳥取市内の摩尼川で、男性2人の水死体が見つかって、遺体から睡眠導入剤の成分が検出された事件だ。被害者2人に借金などをしていた、元スナック従業員U・M被告(38)が、強盗殺人罪で起訴されている。
 Q もっとたくさん亡くなった人がいた気もしたけど……
 A 一時は、U被告の周辺の男性6人が不審死した疑いが浮上したからね。でも、2人以外について県警は、自殺や病死などと断定した。それでも、2件の強盗殺人罪と、16件の詐欺などの罪で起訴されており、県警史上最大の事件とも言われたよ。
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 Q 被告は事件についてどう話しているの?
 A 捜査段階で強盗殺人について完全に黙秘していて、裁判で何を語るのか注目されていたんだ。弁護側は初公判で、U被告は無罪で、当時同居していた男性(49)が「真犯人」と主張したんだけど、被告人質問の直前になって、「被告は黙秘権を行使する」と明らかにしたんだ。
 Q 黙秘権?
 A 憲法にも保障された、供述を拒む権利だ。甲南大法科大学院・渡辺修教授(刑事訴訟法)は、「市民が自分を守るのに不可欠で、刑事裁判の根幹をなす権利」と説明しているよ。
 Q でも何にも説明せずに黙っちゃっていいの?
 A 確かに、「一般の人は『自ら弁明することから逃げた』という印象を抱いてしまう可能性がある」と危惧する意見もある。でも、今回の裁判で、○○裁判長は、「黙秘権の行使は被告の権利」と強調。質問した検察官にも配慮を求め、裁判員に理解を促したよ。
posted by justice_justice at 04:11 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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