2012年12月19日

■鳥取連続不審死事件(2)ー2人強殺事件と死刑判決

■「裁判員/至難の判断/U被告あす判決/状況証拠「合理性」カギ=鳥取」
 ○読売新聞(朝刊)2012/12/03
 ◇75日裁判・連続不審死事件
 鳥取連続不審死事件で、男性2人を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた鳥取市の元スナックホステスU・M被告(38)の裁判員裁判の判決が4日午前11時から、地裁(○○裁判長)で言い渡される。U被告は犯行を否認する一方、検察側は状況証拠の積み重ねで死刑を求刑。評議には6人の裁判員が参加するが、専門家からは「プロの裁判官でも判断が難しいケース」と指摘されている。有罪・無罪などの判断を巡る基準やルールはどのようなものなのか。・・・
 ■ルール 
 裁判員裁判の判決では、裁判官と6人の裁判員が同じ1票を持ち、有罪か無罪かを決める。原則として、過半数となる5人以上の決定で、有罪か無罪を判断する。だが、プロである裁判官3人全員が同じ判断をした場合、多数決が適用されない例外的なケースとなる。裁判員裁判の評議では、いずれかを判断した5人以上の中に、少なくとも裁判官1人が含まれることが条件となっているからだ。
 □甲南大の渡辺修教授(刑訴法)の話「供述や証拠が検察側ストーリーと矛盾しないだけで、証明が十分としてはならない。状況証拠については、裁判員らは最高裁判例にのっとり、冷静に各証拠を評価することが求められる」
■「連続不審死初公判/識者に聞く/審理計画/裁判員に配慮=鳥取」
 ○読売新聞(朝刊)2012/09/27
 男性2人を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われた鳥取市の元スナックホステスU・M被告(38)の裁判員裁判。25日の初公判では、U被告を犯人とする検察側と、事件当時にU被告と同居していた男性元会社員(48)とする弁護側の主張が真っ向から対立した。裁判員は、状況証拠を基に有罪か無罪、有罪の場合は死刑も含めた量刑判断を迫られる。プロでも事実認定が難しい裁判を識者はどう見るのか聞いた。
・・・
 □状況証拠による有罪認定については、大阪の母子殺害事件の上告審(2010年)で最高裁が下した無罪判決での「状況証拠によって認められる事実の中に被告が犯人でなければ合理的に説明できないものがあることを要する」という点が基準となる。
 こうした点を踏まえ、甲南大の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「検察側の証拠と説明に矛盾がなければそれでよいという『必罰主義』に陥ってはならない。裁判員は、犯人と認定せざるを得ない事実があるのかという判例上の厳格な観点から判断するべきだ」と指摘する。

■「(熟議の75日/鳥取連続不審死事件裁判)初公判/遺族「真実を話して」/鳥取県」 ○朝日新聞(朝刊)2012/09/26
 「県警史上最大」とも言われる鳥取連続不審死事件で、2件の強盗殺人罪などに問われた元スナック従業員U・M(***)紀被告(38)に対する裁判員裁判の初公判(○○裁判長)が25日、鳥取地裁であった。強盗殺人罪について、U被告は「私はやっていません」と、否認した。判決は12月4日。初公判の1日を追った。
・・・
 □「犯人適合事実」に沿って精査を
 <渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話> 裁判員裁判は、乏しい証拠によって被告を犯人だと説明づけるための制度ではない。検察官が法廷で示す証拠では被告が犯人であるということに疑いが残るのであれば、割り切って無罪とすることこそ求められる。
 裁判所は今、「被告が犯人であれば矛盾しない」という基準より厳格な、「被告が犯人でなければ説明のつかない事実が、間接証拠に含まれることが必要」とする「犯人適合事実」のルールを適用して判断している。
 本件でも、裁判長は裁判員に「疑わしきは被告人の利益に」に加え、このルールを説明し、それに沿って証拠を精査しなければならないし、弁護側もその点を指摘するべきだ。
posted by justice_justice at 06:34 | TrackBack(0) | ■裁判員裁判ー一般 | 更新情報をチェックする

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