2012年12月16日

■大阪地裁の裁判員裁判ー2名殺害、無期懲役ー弁護人としてー

*2012年10月末から11月はじめ、大阪地裁で、聴覚障害のある被告人が同じく聴覚障害のある知人男女2名を殺害する事件について裁判員裁判が行われた。「音のない世界」で起きた殺人事件であった。裁判は「手話通訳」を介して行われた。ブログ編者は弁護人として関与した。

■「都島男女殺害で起訴内容認める、大阪地裁初公判で被告」
 ○日経(夕刊)2012/10/30
 大阪市都島区のアパートで昨年4月、住人の男女3人を殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた無職、T・S被告告(60)の裁判員裁判の初公判が30日、大阪地裁(I・H裁判長)であり、T被告は「2人を刺したことは間違いない」と殺人罪の起訴内容を認めた。
 同被告と無関係だった男性への殺人未遂については「刺す気はなかった」と殺意を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、「金を要求されてナイフでめった刺しにし、無関係の男性も殺害しようとした」と指摘。弁護側は「女性の前に立ちはだかったため、とっさに刺してしまった」と無関係の男性への殺人未遂は成立しないと主張した。

■「3人殺傷に無期求刑/被告、手話介し「後悔」/大阪・都島」
 ○朝日新聞(夕刊)2012/11/08
 大阪市都島区のアパートで昨年4月、知人の元夫婦を刺殺し、別の住人男性も殺そうとしたとして殺人と殺人未遂の罪に問われた無職T・S(・・・)被告(60)の裁判員裁判の論告求刑公判が8日、大阪地裁であった。検察側は「強い殺意に基づく執拗(しつよう)で残忍な犯行」と無期懲役を求刑。聴覚障害のある被告は最終意見陳述で手話通訳を介し、「元夫婦を殺害したことは後悔、反省しています」と述べた。
 弁護側は最終弁論で、住人男性に対する殺意を改めて否定。その上で聴覚障害がある被告の成育歴などを踏まえて「有期刑が相当」と訴えた。判決は15日。

■「3人殺傷で無期判決/聴覚障害、減刑なし/大阪・都島」
 ○朝日新聞(朝刊)2012/11/16
 大阪市都島区のアパートで住人3人を殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた無職T・S(・・・)被告(60)の裁判員裁判の判決が15日、大阪地裁であった。弁護側は聴覚障害のある被告の生い立ちなどから減刑を求めたが、I・H(・・・)裁判長は「強い殺意に基づく残虐な犯行」と、求刑通り無期懲役を言い渡した。
 判決によると、T被告は昨年4月、三角関係にあり、金銭トラブルも抱えていた元夫婦のO・Y(・・・)さん(当時44)とS・Y(・・・)さん(同39)から、金銭を渡すよう迫られて立腹。ナイフで2人を刺殺し、Sさんが駆け込んだ別の部屋の男性(70)にも重傷を負わせた。被告はこの男性への殺意は否認していたが、判決は「手加減なく首を刺しており、殺意があったと認められる」と結論づけた。
 公判は手話通訳を介して行われた。判決後の裁判員の記者会見で、40代男性は「丁寧な通訳で、被告の供述がかみ砕いた内容になり分かりやすかった」、20代女性は「思いの深さは想像するしかなかった」と話した。
posted by justice_justice at 04:33 | TrackBack(0) | ◇「弁護人」として | 更新情報をチェックする

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