2012年12月15日

■京都地裁の裁判員裁判ー2名殺害、無期懲役 ー弁護人としてー

*2012年11月末から12月はじめにかけて、京都地裁で、2名を殺害した被告人について裁判員裁判が行われた。弁護人として関与した。

■「妻の両親を殺害/起訴事実認める/裁判員裁判=京都」
 ○読売新聞(朝刊)2012/11/28
 2010年5月、長岡京市の路上で、妻(41)の両親を殺害したとして、殺人罪に問われた兵庫県尼崎市の元不動産業、S・T被告(55)の裁判員裁判の初公判が27日、地裁(O・T裁判長)であった。S被告は「間違いない。申し訳ない」と起訴事実を認めた。
 起訴状では、S被告は同年5月12日午前1時40分頃、妻が失跡したのはその親であるY・Yさん(当時65歳)と妻のSK・・・さん(同)夫妻が原因だとして、2人を暴行。その際、警察に通報されそうになったことに腹を立て、2人の胸と背中を刃物で数回突き刺して殺害したとされる。
 冒頭陳述で検察側は、犯行時夫婦が「殺さないで」と命乞いしていたことを明らかにした。一方、弁護側は「刃物は護身用に携帯していたもので、偶発的な犯行」と述べ「死刑か無期懲役かの量刑が予想されるが、冷静に判断してほしい」と裁判員らに語った。

■「裁判員に殺害場面音声/京都地裁/被害者録音を再生」
 ○産経新聞(夕刊)2012/11/28
 京都府長岡京市で平成22年、妻の両親を刺殺したとして、殺人罪に問われた元不動産業、R・T被告(55)に対する裁判員裁判の第2回公判が28日、京都地裁(O・T裁判長)で開かれ、殺害時に被害者が録音していた音声が流され、被害者の悲鳴に裁判員らは険しい表情を見せた。
 以前からR被告に脅されていた被害者が、記録のためボイスレコーダーを持っていた。この日の公判では、検察側がボイスレコーダーを調べた検察官を証人尋問、その際に音声が再生され、裁判員はイヤホンで聞いた。
 弁護側によると、殺害時の音声が裁判員裁判で再生されるのは珍しい。殺害場面の音声は約10分。傍聴席にも漏れ伝わった。
 R被告が妻の失踪に絡む両親の対応に激高し、妻の両親のY・Yさん=当時(65)=とSKさん=当時(65)=夫婦と言い争いになり、激しい物音がする中、SKさんの「やめて、やめて」と泣き叫ぶ声や悲鳴が聞こえた。
 起訴状によると、R被告は22年5月12日、妻の失踪は両親に原因があると言い掛かりをつけ暴行。
 胸などを刃物で数回突き刺し、失血死させたとしている。

■「長岡京の夫婦刺殺/被告が死刑求める/地裁で裁判員裁判=京都」
 ○読売新聞2012/12/01(朝刊)
 長岡京市で2010年5月、妻の両親を殺害したとして、殺人罪に問われた兵庫県尼崎市、元不動産業・S・T被告(55)の裁判員裁判の公判が30日、地裁(O・T裁判長)であった。被告人質問でS被告は「死刑にしてください」と裁判員らに訴えた。
 妻はS被告から、不倫を疑われて厳しく追及され、自殺未遂を起こした末に失踪したとされる。S被告は「自己中心的な自身の性格が、妻を追いつめてしまった」と反省する様子をみせた。弁護側から現在の心境を問われると、S被告は「(犯した罪は)人間のすることではない。ここで死刑にしてください」ときっぱりと答えた。

■「長岡京の夫婦殺害:「無期」判決/『命尽きるまで贖罪を』/裁判長、遺族に配慮−−地裁/京都」
 ○毎日新聞(朝刊、京都版)2012/12/14
 10年に長岡京市で妻の両親を刺殺したとして殺人罪に問われたS(本名・R)T被告(55)=兵庫県○○市=に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した13日の京都地裁の裁判員裁判。O・T裁判長は量刑理由について「命が尽きるまで贖罪(しょくざい)の日々を送らせるべきだ」と述べ、極刑を求めた遺族への配慮を示した。公判は被害者が録音していた殺害時の音声が流され、検察側と弁護側がそろって無期懲役を求刑するなど特異な経過をたどった。判決後、裁判員や被害者遺族らが記者会見し、心境を語った。
 裁判員を務めた30代の会社員男性は、音声記録について「事前に記録があると聞いており心構えができていたので、後々までストレスになることはない」と話した。また、無職女性(68)は「音声の証拠が無くても残虐性は、現場の写真や被害者の傷で証明されると思うが、現場の声は心に迫った。(他の裁判でも音声記録が)あるなら、裁判員は聞くべきだと思う」と述べた。
 一方、意見陳述で極刑を求めた被害者の次女(39)らは「裁判員には気持ちは伝わったと思う」としながらも「弁護側と同じ無期懲役の求刑を受けての判断で、裁判の意味があったのか」と無念さをにじませた。

■「遺族、無念の会見/「理解できない」/長岡京夫婦刺殺、無期判決/京都府」
 ○朝日新聞2012/12/14(朝刊)
 長岡京市で妻の両親を殺害したとして殺人罪に問われたS・T被告(55)に対する裁判員裁判の判決は求刑通り無期懲役だった。京都地裁は「被告の死で償うのが当然な事件だ」と指摘。死刑を望んでいた遺族は判決後、「なぜ検察は死刑を求刑してくれなかったのか」と悔しさを語った。
 判決によると、S被告は失踪中の妻が見つからないのは両親のせいだと難癖をつけ、2010年5月、妻の父のY・Yさん(当時65)と母SK(・・・)さん(同)を包丁で刺殺した。被告は起訴内容を認め、当初の争点は量刑とされた。
 両親の次女(39)と長男(34)は被害者参加制度を使って裁判に参加して「被告を死刑にして」と訴えた。京都地検は「死刑の適用には慎重になるべきだ」として弁護側と同じ無期懲役を求刑。判決は「悪質だが殺害を事前に計画していたとは考えにくい」として無期懲役とした。
 死刑を選ぶかどうかの判断にあたり、結果の重大性や計画性など9項目を示した「永山基準」が使われている。判決後に取材に応じた長男によると、死刑を求刑しなかった理由を、周到な計画性がなかったからなどと地検から説明を受けたという。
 長男は「2人を殺(あや)めたのに、計画性がないから死刑にならないのは理解できない」。次女は、判決が「死刑も当然」と指摘したことに触れ、「だからこそ、どうして検察は死刑を求刑してくれなかったのか。前例を踏まえた求刑しかできないなら、何のための裁判員裁判なのか」と話した。
 判決後の記者会見で、裁判員を務めた無職女性(68)は「判決に、遺族にしっかり生きていってくださいという思いをこめたつもりだ」と話した。
posted by justice_justice at 06:23 | TrackBack(0) | ◇「弁護人」として | 更新情報をチェックする

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