2012年07月13日

■捜査力減退ー「自白中心主義」の破綻

 「大阪地検が無罪論告/捜査ミス判明、謝罪/郵便横領/即日判決」。
 驚くべき事件紹介記事が、7月9日のネットではじまり翌日全国各紙に掲載されている。
 表記は、7月10日夕刊の西日本新聞による。
 記事を引用する。

***引用***
 マンションの宅配ロッカーに届けた郵便物を横領したとして、業務上横領の罪
に問われたアルバイト郵便配達員の男性被告(24)の論告求刑公判が10日、
大阪地裁(福島恵子裁判官)で開かれ、大阪地検は「ロッカーの記録や関係者の
供述から、被告の犯行と証明できなくなった」として無罪を求めた。・・・
 起訴状では、昨年6月24日、大阪市内のマンションで、郵便物の車用ルーム
ミラー(時価約5千円相当)を宅配ロッカーから持ち去り、横領したとしている。
 公判で検察側は、付近の防犯ビデオの映像やロッカーの出入記録から、郵便物
を入れた時刻と取り出された時刻が同じだとして、「犯人は男性以外にあり得な
い」と指摘。弁護側は「記録に間違いがあり、男性が郵便物を持ち去った事実は
ない」と反論、10日の最終弁論で「犯人とする根拠はもはや存在しない」と訴
えた。
 その後の公判で、裁判所から「立証は十分か」と問われた検察側が、再捜査で
ロッカーの設計担当者を聴取したところ、出入記録のうち、取り出した時刻が誤
表示だったと判明、立証は困難と判断した。
 天王寺署が昨年9月9日、男性を窃盗容疑で逮捕。男性は「知らない」と否認
したが、大阪地検は同月29日、業務上横領の罪で起訴した。男性は10月に保
釈された。」
********
 こんなコメントを毎日新聞2012年7月11日(朝刊)に掲載してもらっている。

■「無罪論告:控訴せず無罪確定へ/渡辺修甲南大法科大学院教授の話」毎日新聞大阪朝刊2012年7月11日
 ◇ずさんさ否めぬ−−渡辺修甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話
 防犯カメラを精査するなど客観証拠を重視した捜査が十分になされなかった。
犯人だという思い込みの捜査で、ずさんさは否めない。取り調べで追及すれば自
白するに違いないという方針を持っていた可能性がある。ただ、無罪論告をした
ことについては被告の利益を考えており、処理の仕方は適切だった。

posted by justice_justice at 07:19 | TrackBack(0) | ■事件ー捜査から起訴まで | 更新情報をチェックする

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