2011年12月05日

■福井女子中学生殺人事件ー再審決定の新しい流れ

■表題事件について、再審が決定されたが、これについて、産経新聞が的確な分析記事を掲載している。「福井中3女子殺害再審決定/証拠開示が再審決め手に」である(2011/11/30 産経新聞(夕刊))である。以下、引用する。

***(引用)****
■「開かずの扉」開く鍵
 冤罪(えんざい)を訴える最後の手段である再審。しかし、再審公判が始まれば無罪になる可能性が極めて高いだけに、その開始決定のハードルは高い。福井の女子中学生殺害事件では再審無罪が確定した布川事件と同様、弁護側の証拠開示請求が有効な武器となった。他の再審請求事件でも新たに証拠が開示されるケースが相次いでおり、今後、再審が開始される可能性がある。
 再審開始には確定判決を覆すだけの明白な新証拠が必要とされる。このため戦後しばらくは真犯人が判明するなどまれなケースに限られ、「開かずの扉」「針の穴にラクダを通すほど難しい」などと評された。
 その門戸を広げたのが、最高裁が「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の大原則を、再審請求の場合にも適用すべきだとした昭和50年5月の「白鳥決定」。これを受け54年から61年にかけ、財田川、免田、松山、島田の各死刑確定事件で再審開始決定が相次ぎ、いずれも無罪が確定した。
 だが、その後は再び「再審冬の時代」が到来。名張毒ぶどう酒事件や大崎事件のように、いったん出された開始決定が取り消されるケースもあった。揺り戻しの背景には「確定判決の安定性を損ない、三審制を崩すことになる」とした大崎事件の福岡高裁宮崎支部決定に代表される裁判所の慎重な姿勢があるとされる。
 しかし布川事件では、弁護側が検察側に開示を請求した取り調べの録音テープが大きな決め手となり、今年6月に再審無罪が確定。福井事件でも弁護側は再審請求審で新たに開示された供述調書から、目撃証言の変遷をあぶり出した。
 検察側の証拠開示は、裁判員制度導入に向けた平成17年の刑事訴訟法改正で明確に制度化。以降は検察側に不利な証拠であっても、法廷に出されることが少なくなくなった。他の再審請求事件でも、袴田事件や東京電力の女性社員殺害事件などで検察側が新たに証拠を開示している。
***(引用終了)***

これに続いて、ブログ編者の次のコメントが採用されているので、引用掲載する。

                   ◇
◆時代に合った運用だ
 渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話「再審開始の決定理由で『新証拠』に照らして知人の供述の信用性が否定された背景には『嘘の供述を簡単に作り上げることができる』という認識を裁判官も認めざるを得なくなったことがある。市民が刑事裁判に参加する時代に、検察官が十分な証拠を開示せず、裁判所が被告側に有利な証拠を検討できないとすれば、公正な裁判といえない。今回の決定は、時代にマッチした再審の新しい運用として高く評価できる」
posted by justice_justice at 23:03 | TrackBack(0) | ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする

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