2011年07月07日

■「訴因」なるものー過失犯のかたち

■2011年6月9日、朝日新聞(朝刊)「(迫る)山本病院事件、死因特定なき争い/検察、有罪立証に自信/奈良県」は、やや専門的になるが、興味ある裁判の模様を紹介する。

 「大和郡山市の「山本病院」(破産手続き中)を舞台にした業務上過失致死事件の裁判は、「死因」をめぐる判断が鍵を握りそうだ。これまでの公判で検察側は、前理事長の山本文夫被告(53)のずさんな手術の実態や態勢が患者の死をもたらしたことを強調。弁護側は「別の原因で亡くなった可能性がある」と反論する」。
 これが、記事の概要だ。
 もともとは、山本病院で起きた生活保護受給者を患者とする診療報酬の詐欺事件が背景にある。その過程で、男性患者に必要のない肝腫瘍摘出手術を施して、死亡させたというものだ。
 しかも、この医師は、肝臓手術の専門技術を備えていなかったという。
 では、処罰できるのか。
 を舞台にした、生活保護

 奈良地裁での証人尋問は4月20日に始まり、これまで6回の公判で手術に立ち会った看護師や検査技師、専門医ら11人が出廷した。
 証人らは、患者が患っていたのは手術の必要のない肝腫瘍(しゅよう)だったうえ、専門性の高い肝臓手術の実施に必要な人数や輸血などの態勢に不備があったと証言。山本被告が肝臓手術の経験や技術がなかったことも明らかにした=表。
 「患者は司法解剖されていないため、死因は特定されていない。そのため、検察側はカルテや麻酔記録などの客観的な証拠に加え、当事者らの証言を重ねることで、不必要でお粗末な手術が患者を死に至らしめたと立証しようとした」。
 ここが問題となる。
 弁護側は、記事によると、「心停止の原因は心筋梗塞や、血栓が肺の血管に詰まる肺塞栓(はいそくせん)症の可能性もあり、死因は特定できないと反論。手術後に看護師らが実施した心臓マッサージによる出血の可能性もあると指摘した」という。「「死因は本当に分からない。だから、検察側に証明してもらいましょうということだ」と話している」という。

■こんなコメントを寄せた。

 甲南大学法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「死因が特定されなければ、手術全体の不手際という過失をいくら証明しても、因果関係を立証したことにはならない」と指摘。患者が司法解剖されていない点に触れ、「死に至る過程が明らかになっていないことが、ネックになるだろう」とみる。
posted by justice_justice at 05:22 | TrackBack(0) | ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする

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