2011年06月06日

■颯ちゃん変死事件ー再逮捕の危険性

■ asahi.com 2100年6月6日配信の記事、「乳児変死父を再逮捕/傷害致死の疑い/住之江」を読んで、「自白中心捜査」、「密室取調べ」依存捜査への危惧を強くしている。
 記事を引用する。
 「今年1月、大阪市住之江区の生後3カ月の阿部颯(はやて)ちゃんが変死した事件で、大阪府警は5日、父親の阿部裕之容疑者(21)=傷害容疑で逮捕=を傷害致死容疑で再逮捕し、発表した。阿部容疑者は容疑を否認しているという。傷害容疑については、大阪地検は同日、妻(34)=同=とともに処分保留とした。
 府警によると、再逮捕容疑は昨年12月11日午後、自宅で、颯ちゃんの顔などを水に沈めておぼれさせたうえ、体を激しく揺さぶるなどして脳に損傷を与え、今年1月17日に死亡させた疑い。阿部容疑者は「沐浴(もくよく)させていて、手を滑らせてベビーバスに落とした。沈んだのは1〜2秒」と供述しているというが、医師の鑑定結果から府警は颯ちゃんが故意に水に沈められたと判断した。一方で、殺意までは立証できないとして殺人容疑の適用は見送った。
 阿部容疑者と妻は昨年10〜12月、颯ちゃんに、胸や両足の骨が折れるなどの重傷を負わせたとして傷害容疑で逮捕されていた。 」

■ 児童虐待。連続的、断続的に続く暴力とけが、、、密室の犯罪で、両親が否認しているとなると、亡くなった乳児の死亡状況からふるわれた暴力の態様を推認し、さらに、「主観」ー殺意、傷害の故意どちらかーを推認する、、、そうした事実認定が裁判では求められよう。
 それだけに、捜査段階にある今、警察の慎重な捜査が求められる。

 だが、上記記事は、明らかに、警察が、事実を細切れにして、「密室取調べ」の期間を長引かせるための捜査戦術であることが明白だ。

 しかも、加害者は、聴覚障害がある。手話で事情を聞き、手話で答えるやりとりが予定されている。
 事件の背景には、「ろうあ者」を取り巻く福祉教育政策の貧困が影響を与えている可能性もでてくる。
 手話による育児教室、ろうあ者のための父親学級、母親学級、、、、社会インフラはしっかりしていたのであろうか、、、
 他方、健聴者による「被疑者取調べ」という権威的構造が事実上ろうあ者に「威圧的、威喝的」に作用する事実も否定できない。
 
■ 今回の再逮捕も、実は、当初の傷害事件でなされていた逮捕、勾留の期間内に同時並行して捜査処理ができる範囲内の事実である。
 最終的には、死亡に至った傷害行為(殺意の有無は別にして)に、吸収される一罪とみるべき事実関係に立つ。
 なのに、取調べ時間稼ぎのために、これを細切れにして、逮捕勾留を繰り替えす、、、、
 その結果、密室取調べ⇒強引な自白強要⇒手話通訳を介する問罪の介在⇒「自白」調書の作文、、、という「えん罪の構図」が成立しないことを祈る。

■ 本件は、再逮捕以後、被疑者国選弁護事件になった。複数の弁護人がついて、質の高い防御活動を展開することが求められている。

posted by justice_justice at 12:18 | TrackBack(0) | ■事件ー捜査から起訴まで | 更新情報をチェックする

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