2011年05月19日

■プロ裁判官の文化ー必罰・作文・妥協

■ 2011年5月18日の夕方から夜にかけて、関西のテレビ局のニュースでは、いわゆる舞鶴女子高生殺人事件判決が話題になった。
 京都地裁は、被告と犯人を結びつける具体的で確かな証拠がない中、薄い、透明な皮を重ねて、被告の像を結んだ、あやうい事実認定で、無期を宣告した。
 北海道新聞、2011年5月19日(朝刊)は「舞鶴殺人判決*状況証拠/全体像示せず*裁判員なら別の結論も」と題する解説記事で、次のように指摘する(以下、引用)。

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 検察側は目撃証言や防犯カメラ画像鑑定などから、被告が犯人でないとすると「あり得ない偶然が重なり合ったことになる」とした。だが判決が認定した事実関係では、殺害の動機や詳しい状況など事件の全体像ははっきりしないままで、被告以外が被害者に接触した可能性を完全に否定できたといえるのか、疑問も残る。
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 あり得ない偶然。
 それは、目撃証言、防犯カメラの映像が、すべて被告と被害者を写し取っているという前提にたったものだ。
 そして、それぞれ固有の弱さを含んでいた。
 「秘密の暴露」も密室取調べでのできごとで、土台は脆弱だ。

 そんなことを考えながら、共同通信を通じて次のようなコメントを出した。

■ 強引に有罪の作文した

 渡辺修甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話 被告が犯人と明確に推認できる状況証拠はなく、強引に有罪の作文をした判決だ。不鮮明で被告と判断できない防犯カメラ画像を証拠と認めるなど、裁判官が検察の主張に追認を重ねており、事実認定に無理がある。「秘密の暴露」とされた供述も密室での取り調べのもので、取調官の誘導は可能だった。最高裁が示した状況証拠の判断基準にも沿っておらず、控訴審で見直すべきだ。


■ 類似のコメントは、前日の毎日新聞(朝刊)2011年5月17日、「京都・舞鶴の女子高生殺害:直接証拠ないまま−−あす判決」でも次のようにまとめている。

◇「状況証拠、質が焦点」

 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は「状況証拠の検討から犯行状況が浮かび上がるかが問題で、証拠の質が決め手だ。今回は犯行前の状況証拠に偏り、証拠の質も良いとは言えないのではないか」と見ている。

■ ぼんやりとした証拠群をならべて犯人性の推認とするのはやはり疑問だ。被告の法廷の態度など気になる事情はあったのかもしれないが、事実認定は証拠で行なう。その証拠から浮かび上がる犯人像は焦点がぼやけたままだ。これで、犯罪の証明有りとするのはいかがなものか。

 控訴審での精査を待ちたい。
posted by justice_justice at 21:02| ■(ケース)舞鶴女子高生殺害事件■ | 更新情報をチェックする
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