2011年05月17日

■「密室取引」と「司法取引」−自白押し付け捜査

■ 朝日新聞11年5月14日(夕刊)は「大阪府警、被告と取引か/『強盗自白すれば別件不問』」と題して、次の事件を紹介している(以下、引用)。
 地裁指摘 【大阪】2011/05/14 朝日新聞 夕刊 9ページ 874文字その他の書誌情報を表示 

 大阪府柏原市のパチンコ店で2008年9月、現金約1千万円が奪われた強盗事件で、大阪府警が別の窃盗容疑で逮捕し、覚醒剤事件への関与の疑いも浮上した男に「強盗を自白すれば覚醒剤を立件しない」と取引を持ちかけた疑いがあることがわかった。男は強盗を認めて起訴されたが、大阪地裁の遠藤邦彦裁判長は昨年9月の公判で自白の任意性を否定し、自供書などを証拠採用しない異例の措置をとったという。

■ 記事によれば、この男性は、結局覚せい剤事件でも立件される。公判には警察官が証人として立ち、取引を否定したが、裁判長はこれを採用せず、自白の証拠採用を否定した。
 「密室取調べ」が引き起こす「えん罪」のひとつのかたちである。
 今後、我が国での導入を検討すべき「司法取引」とは全く異なる、自白押し付け方の誘導取調べがなされただけのこと。真相解明にも、適正処罰にもなんら役に立たない捜査手法である。

 次のようなコメントを掲載した。

◆証拠不採用は妥当
 <刑事裁判に詳しい甲南大学法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)の話>
密室の取調室でうそをついて自白させた疑いがある以上、自供書などを証拠採用しなかった判断は妥当だ。事件の真相を解明するため、罪に問わないことを条件に供述や情報を得る「司法取引」の導入の必要性が議論されているが、地裁が指摘したような取引はあってはならない。
posted by justice_justice at 09:06| ■裁判ー起訴された事件 | 更新情報をチェックする
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