2010年12月27日

■検察のありかたーモラル低下の広がり

■読売新聞2010年12月26日付けのネット配信記事を紹介する。西部本社版で掲載されていると思う。タイトルは、「福岡地検、内部処分10件公表せず」とするもので、以下のように、事件の不適切処理や、証拠の紛失、隠滅などの事故に関するものだ。
 以下引用する。
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 福岡地検が今年10月までの約3年間に、検察官や検察職員に対して10件の内部処分を行っていたことが、読売新聞の情報公開請求で分かった。証拠品を紛失したり、執行猶予中の犯行を見逃して裁判で立証しなかったりしたケースがあったが、地検は「懲戒処分以上しか発表しない」として、いずれも公表していなかった。

 識者からは「どのような基準で処分、公表しているのか分かりづらい面がある。検察の在り方が問われている中、再検討が必要では」との声も上がっている。

 検察官や検察職員などの国家公務員は免職などの懲戒処分のほかに、内部処分として訓告、厳重注意、注意の順で処分が定められている。

 ある検察職員は、被告の前科の有無を調べる際、被告の生年月日を誤った。そのため、被告が犯行時に、過去の事件で有罪判決を受けて執行猶予中だったことを把握できないまま書類を作成。検察官も公判で前科を立証しなかった。

 刑法では原則、執行猶予中の犯罪については再び刑を猶予することはできない。しかし検察側が立証しなかったため、裁判所は執行猶予付きの判決を言い渡した。検察職員と検察官は2009年11月に厳重注意となった。

 刑法の決まりで二つの事件それぞれに求刑しなければならないのに、一方の求刑を忘れ、間違った判決が言い渡されたケースでは、検察官1人が厳重注意、上司2人が注意を受けた。2件とも法令違反の状態で判決が確定してしまった。

 証拠品のビデオテープにテレビ放送が約1分20秒間にわたって上書き録画されてしまった事案では、テープを管理していた検察官が厳重注意を受けた。元の映像はすべて消えていたという。警察署から借りた証拠品のDVDを紛失し、08年10月に訓告となった検察職員もいた。これら2件は、捜査や公判には影響を及ぼさなかったという理由で懲戒には至らなかった。

 また、簡裁が出した罰金の略式命令を約2か月半放置している間に相手が死亡し、罰金が回収できなくなったケース(検察職員2人に注意)もあった。

 これらの内部処分を公表していなかったことに対し、福岡地検の糸山隆次席検事は「人事院規則などで、公表対象となるのは懲戒以上の処分と定められている。重大な不祥事であれば、おのずと懲戒処分が適用されて公表しているはずだ」と説明している。

■以下、これに関連して、次のコメントを掲載してもらうことにした。

 渡辺修・甲南大法科大学院教授(刑事訴訟法)の話「厚生労働省の元局長が無罪になった事件などを受け、検察には不祥事を積極的に公表し、市民の監視下でモラルの改善を図ることも求められている。組織の体質を改めるため、公表基準を再検討する必要もあるのではないか」

■事件の法律処理について、見落としがあることもさることながら、やはり証拠物の扱いに関するずさんさが気になる。自白があれば事件の処理ができる、こういった気分が事故の背景にないか。
 自白中心主義から、客観証拠中心の地道な捜査を重視するモラルの回復が強く望まれるところだ。

 特捜の解体はさておき、「検察」が訴追機能を担うべきであることを変えることはできないだけに、正義の殿堂としての信頼回復に向けて、単なる「官僚機構生き残りのための官僚作文」ではない、改善策とその実施が望まれる。


posted by justice_justice at 16:42| ■「特捜崩壊」 | 更新情報をチェックする
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