2010年10月17日

■検察の起訴基準/市民の起訴基準ー検察の非常識/検審の良識

■毎日新聞2010年10月13日(大阪本社版、朝刊)は、「強制わいせつ:アルゼンチン人「不起訴誤り」起訴/大阪地検また謝罪」と題する記事を掲載している。

 主な内容を引用すると、次のようになる。
「大阪地検は12日、強制わいせつ容疑で今年1月に逮捕され、不起訴処分(容疑不十分)としたアルゼンチン国籍の会社員(62)を、強制わいせつ罪で大阪地裁に起訴したと発表した。大阪第4検察審査会の「起訴相当」の議決(3月25日付)を受け、再捜査していた。大島忠郁(ただふみ)次席検事は記者会見で、不起訴処分とした判断が誤っていたことを認め、「被害者への配慮を欠いてしまった」と事実上、謝罪した」。

■ただし、被告人本人は2月1日に処分保留で釈放されるや、翌日には出国している。このため、郵便なり、在アルゼンチン大使館などの書記官が起訴状を手元に届けて日本法上有効な公訴の提起をおこなっても、彼が、日本の領海内に入らない限り、裁判の進行はありえない。
 ただし、有効な起訴状送達が行われれば、時効は完成しない。
 それにしても、気になるのは、次の点だ。
 「地検は同9日付で、被告の「合意の上だった」という供述を覆せず、不起訴処分とした。しかし、検審は「女性は恐怖感から硬直し、わいせつ行為を拒否できなかった」として、「起訴相当」と議決した。
■この3行に、今の「検察捜査」の本質を読み取れる。
 「被疑者密室取調べ→自白」。
 これがないと起訴できないし、起訴しない。
 だから、密室で自白を迫る。
 客観証拠から事実を推認すること。状況証拠で有罪を獲得すること。
 この事実認定の基本技が、身についていない。
 被疑者が、取調べで不合理な弁解をする状況も有罪証拠に組み込む方法を知らない。
 それが、こうした検察の処分となり、これに対する検察審査会の良識ある判断、そして、検察の起訴へとつながった。
 こんなコメントを採用してもらっている。

■客観証拠で立証をー渡辺修・甲南大学法科大学院教授(刑事訴訟法)の話(毎日新聞(大阪本社、朝刊)、2010年10月13日

 「そもそも検察が、わいせつ行為を受けたとする被害者の訴えを無視したのは疑問。被害の重みをとらえられない検察に対して、市民が参加する検察審査会が軌道修正を迫ったものだ。自供を得られず立件を見送った当初の判断は、自白偏重の裏返しであり、検察は客観証拠に基づく立証を心がけるべきだ。公訴時効を完成させないためにも起訴は当然だ。取調べ上京を 地検は再捜査の結果、被告の供述は信用できないなどと判断し、起訴に踏み切った」。

posted by justice_justice at 00:01| ■検察審査会・付審判 | 更新情報をチェックする
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