2010年10月12日

■特捜検事証拠かいざん事件ーマスコミ・コメント(8)ー「特捜」の存続・解体論争

特捜解体についてさらに紹介する。

■まず、産経新聞2010年10月6日(朝刊)「【瓦解 大阪地検特捜部の「犯罪」】(5)「空白の10年」再来か」と題する記事は、次のようなエピソードで始まる。

「『もう特捜部は終わりだ。政界事件なんか今後、できないだろう』
 大阪地検特捜部主任検事、前田恒彦の逮捕直後、特捜部在籍経験のある元検察幹部は憤りを隠さなかった。
 前田の証拠隠滅事件と前特捜部長の大坪弘道らの犯人隠避事件で、特捜部が積み上げてきた信頼は根底から揺らいだ。
 『失った信頼の回復は10年はかかる。当面は経済事件に特化して仕事をこなすしかない』。この元検察幹部は渋い顔で話し、長期間の低迷を懸念した。」
                   ◇
 かつてない逆風を受ける特捜検察。「モラルは完全に崩壊した。特捜部解体を急ぐべきだ」(甲南大法科大学院の渡辺修教授)との声も上がる。

■次に、東京新聞2010年10月2日(朝刊)「こちら特報部/検察特捜部は必要?不要?(下)/『常設で無理な捜査』/政権交代で役割終えた/『二元論』猛威/性急な改廃論/懸念も」では、東京新聞が特捜存続と解体のふたつの意見の特集を組んだ。記事はこう述べる。

 「特捜部は不要と主張する人たちの考えはこうだ。元検事の郷原信郎弁護士は「現在のゆがみは特捜部が常設されているという点から生じている」と考える。
 定員千七百人余の検事の中で、東京、大阪、名古屋の特捜部には約六十人が配置されている。彼らは警察から来る事件の処理に追われる一般の検事と違い、主に独自捜査に取り組む。「何かしないと特捜の存在価値が無くなる。なんとか事件をやろうと突き進む」と、郷原氏は特捜部独特の雰囲気をこう説明する。
 それが筋書きに当てはめるような無理な捜査の原因になる。対策は特捜を解体して検事を各地に分散させ、大きな事件の時に捜査本部を設けること。郷原氏は「分散させることで各地の検事の負担を減らし、余力で独自捜査をする。自分で証拠を集め、事件を組み立て捜査する。それによって検事の能力も育っていく。チーム制でも大きな事件はできる」と言う。
 さらに今回、如実になった捜査と起訴する組織が同じで、チェック機能が働かないという問題点については「検察の独自捜査には(取り調べを録音、録画する)可視化が絶対条件」と訴える」。

 こうした改善+存続の考え方にはブログ編者は反対だ。次のコメントを掲載してもらっている。
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 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)も「地検特捜部は歴史的役割を終えた。解散すべきだ」と説く。自民党の一党支配が続いた時代が特捜部に存在意義を与えていたと指摘する。「特捜は体制内部から政官財の癒着を正し、体制を維持させる点にあった」
 しかし、「今は国民の手で政権交代できるようになった。公正取引委員会や警察も力を付けており、検察の独善で正義が実現される状況ではなくなった」と分析する。
 政財界の汚職事件も「刑事訴訟法の原則に立ち一次捜査権を持つ警察が捜査し、検察は警察をチェックし、バランスを取る立場に徹するべきだ。警察庁採用の人には司法試験合格者もいる。今後は法科大学院卒業の警察官も増える。警察内部に特捜のような組織をつくればいい」と述べる。
posted by justice_justice at 04:07| ■「特捜崩壊」 | 更新情報をチェックする
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