2010年09月28日

■特捜検事証拠かいざん事件ー犯人隠避罪の可能性

■ネット配信で、2010/09/28 02:04、【共同通信】は、「特捜部長「故意」報告拒否/刑事責任、週内に最終判断」とする記事で、以下の状況を紹介している(以下、引用)
 「大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件で、前特捜部長の大坪弘道京都地検次席検事と前副部長の佐賀元明神戸地検特別刑事部長が、逮捕された主任検事前田恒彦容疑者(43)のデータ書き換えについて地検上層部に報告した際、大坪前部長が同行した前田容疑者の同僚検事から「故意であることを伝えましょう」と進言されたのに、「公表されるぞ」と止めて、過失であるとうその報告をした疑いがあることが27日、検察関係者への取材で分かった。」

■刑法103条に、「犯人蔵匿等」の罪として次の規定がある。
 「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する」。
 「罪を犯した者」とは、捜査や裁判の対象になっている被疑者・被告人のみではなく、いわば「真犯人」も含む。
 今回の場合、特捜部長、副部長は、前田検事による罪証隠滅罪を認識していた。そして、公務員としての一般的な告発義務も負っていた。なによりも組織内の犯罪であるから、犯人としての自首を勧めるべき立場にもあった。そうでないと、組織の中に容易に埋もれてしまうからだ。
 ところが、敢えてそうしなかった。
 真犯人が訴追機関に発見されない状態を造った。これは、真犯人の「隠避」に含まれる。

■刑法の条文で言う、「蔵匿」は物理的に犯人を匿う事実行為がいる。
 しかし、「隠避」はそうした外形的な行為は要らない。法的にみて、犯人を隠す状態をつくっているとみてよい態度を広く含む。
 警察官がいったん逮捕した窃盗犯を哀願されて逃がす場合、被告人の弁護人が真犯人の自首を説得してやめさせる場合、犯罪の身代わり犯として自首して真犯人が処罰を免れる状態にする場合もすべて「隠避」になる。

■これを今回のFD改ざん事件についてみると、現段階の報道からうかがえる当時の特捜部長、副部長の認識は、前田検事のFD改ざんを「証拠」の改変、つまり罪証隠滅と捉えるべき立場にあった。したがって、これに相応しい対応をとるべきであった。
 それが、できなかった。
 身内を犯人として公表する勇気も手続もないまま、手をこまねいていたのではないか。
 そして、より重大な事態に発展して、今あわてふためきながら、言い訳を考えている、、、そんな構図が浮かび上がる。

 残念だが、上記報道から読み取れる事態がさらに進むのであれば、検察幹部の犯人隠避罪成立も、当然となろう。

■「特捜捜査」解体から、「検察捜査」崩壊へ。
 より悪いシナリオになりつつある。
 この結果、市民社会が見放す。捜査力が落ちる。
 正義への信頼が失われる。
 「おまえも、たいがいなもんやろ!」
 犯人や重要参考人にこう言い換えされて反論できない組織。

 抜本的な立て直しが要る。
 その中に、刑訴法の捜査の原則形ー「警察の第一次捜査、検察の補充捜査」への回帰、「国策捜査」のための「特別捜査警察部」を警察庁直轄下に設置すること、そんなことも必要ではないか。
posted by justice_justice at 08:00| ■「特捜崩壊」 | 更新情報をチェックする
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