2010年07月31日

『南十字星の下で』ジュディ・ナンーオーストラリア小説

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 ジュディ・ナンの『南十字星の下で』を読み終えた。実は、数年がかりであった。本を購入したのは、前回オーストラリアに調査で出かけた2005年である。アレクサンドリア通りにある、今もクリアにイメージを記憶している本屋ーで買った。「ローカルオーサーのオーストラリアものの小説はないか」という質問に答えて、店員が進めてくれた本だ。海外にでるとき、こんな質問を書店ですることにしている。
 ただ、なかなか手にとって読み込むサイクルに入れないまま書棚に積んでいたのだが、昨日ようやく読み終えた。
 
 1783年にトマス・ケンダルが父等とともに、住居侵入窃盗で捕まり死刑を宣告されるところから小説は始まる。その後、オーストラリアに流刑となり、そこから新大陸でのケンダル一族の物語が展開する。
 実に216年に渡る一家とシドニーの発展の叙事詩。
 最後に、トマス・ケンダルがアボリジニーの友人に譲った後、うやむやにされた土地が、ふたたび、シドニーオリンピックを前に控えて、権利が戻されるところで終わる。
 その権利回復を担ったのは、むろんトマス・ケンダルの流れを汲み、イタリア人と結婚したキティ・ケンダルの息子、ロベルト・ケンダル弁護士であった。
 そして、その式典に参加したアボリジニーを代表する、陸上競技選手、ジャロッド・ケンドルには、実は、トマス・ケンダルの息子が、メイドに雇ったアボリジニーの女性との間で産んだ子どもとその一族の血が流れているのであった。
 血が受け継がれ、元にもどる場面で、小説は終わる。

 読み応えのある一冊であった。

posted by justice_justice at 09:45| ●教養ー読書 | 更新情報をチェックする
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