2010年07月04日

■手話の飛び交う法廷ー裁判員裁判異聞

■読売新聞2010年5月22日(朝刊)、「強姦致傷裁判員裁判/障害者参加「大きな一歩」と題する記事は、判懲役8年(求刑・懲役9年)の実刑を言い渡した、ある強姦致傷事件の裁判員裁判で、補充裁判員に聴覚障害のある女性が選任されたことを報じている。
 このエピソードをどうみるべきか。
 記事は、こんな紹介をしている。
「◆識者ら コミュニケーション確保課題 
 聴覚障害のある50歳代の女性が補充裁判員を務めた地裁(橋本一裁判長)の裁判員裁判で21日、強姦(ごうかん)致傷罪などを審理した裁判員と補充裁判員だった6人が地裁内で記者会見し、「審理が白熱すると、検察官や弁護士が早口になることがあった」と指摘する一方、「裁判官は、全員が理解してから評議を進めていた」などと対応を評価した。
 聴覚障害者が裁判員・補充裁判員になったのは初めてとみられ、裁判員を務めた60歳代の男性(橿原市)は「女性が聞こえやすいようマイクに向かって議論した」と話した。補充裁判員だった30歳代の男性は「評議の際、女性に顔を向けながらゆっくり、わかりやすいように話すことを心がけた」と述べた。
 法廷で要約筆記を担当した女性2人も奈良市内で会見。18日の初公判前に地裁との打ち合わせで、裁判員席の前に用意する予定だった筆記者の席を、意思疎通しやすいよう裁判員席の後ろ側に女性と並んで4席置くことを提案。「話が白熱してテンポが早くなってくると、入力するのが大変だった」と振り返った。
 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の佐野昇事務局長は「要約筆記の様子をモニターで全員に見えるようにすれば、聴覚障害者のペースに合わせて進行できる。今後の裁判の参考にしてほしい」と注文した。

■「聴覚障害者の居る刑事裁判」。
 「手話の飛び交う法廷」。
 これも長年にわたりフォローしてきているテーマだ。
 健聴者、健常者中心になりがちの社会構造の中で、21世紀のテーマは、市民主義。
 刑事裁判における市民主義の大きな鍵は、コミュニケーションだ。
 手話の保障。効率司法ではなく「熟成司法」を実現するためにも、コミュニケーションの保障を重視したい。
 こんなコメントを載せた。
**************
 刑事裁判で障害を持つ被告らの支援を研究する甲南大法科大学院の渡辺修教授は「社会全体で司法を支える裁判員制度の趣旨からみて、女性の参加は意義深く、大きな一歩」と評価。今後、障害者の積極参加を進めるため、「他の裁判員らとのコミュニケーションをどう確保するか、真剣に考える必要がある」と指摘した。
 
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