2009年07月11日

■山崎社長起訴ー事故と事件

7月8日に、福知山線の脱線事故勾留で山崎社長が起訴されたとの第1報告がマスコミサイドから入ってきた。東西線が新設されるのに伴う工事の際、線路にATSを設置しなかったことが、今回の事故を防げない状態にした理由だというのが検察側の主張のようだ。
 複合的な原因で起きた過失事件について、遡ること数年前に、こうした態様の事故の発生もありえると予測した上で、これを防ぐのに必要な箇所に必要な時期までにATSを設置すべきであったのに、しなかった、、、言葉で書けばこんな過失の内容になるのであろう。
 しかし、無理な話だ。そんなことを予見できるわけもない。ATSのみが事故防止策とは言えないし、必ず防げた訳でもない。鉄道本部長は、事故直後まで、こうした状態を引き継いだことになるが、かれらもまったく同じ過失の構造の中にある。ひとり山崎社長の過失のみが大きく寄与しているのではない。
 なにより、かくして、JR西日本は、事故の刑責を問われる立場=事実上の被告人になった以上、不当な処罰を防ぐために、徹底的に防御活動をすべきこととなる。
 事故を社会とともに受け止めて、防止策、安全策を地域、遺族、会社、経済界も含めて考えてみる、必要な対策を取る、、、そんな開かれたフォーラムによる前向きの対策はとれなくなる。せめて起訴猶予で処理すべきであったと思う。
 これも、被害者救済の大きなトレンドの中において理解すれば、検察官の決断の意味も分かる。ただ、無理な過失の構成をあえてすることはなかった。検察審査会があるから、起訴相当であれば、二度目の審査で起訴議決をするか否か、市民の判断に委ねてよかった。
 そんな思いを抱いたまま、NHKの取材には概ね次のように述べた。
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福知山線脱線 甲南大・渡辺教授 社長だけ起訴は不適切
2009/07/08 NHKニュース 184文字 書誌情報
 今回の検察の判断について、甲南大学法科大学院(コウナン)の渡辺修(ワタナベオサム)教授は、「JR西日本で鉄道の安全に関わっている人がたくさんいる中で、なぜ、山崎社長だけが起訴されたのか。当時の山崎社長には予見可能性はなく、起訴は不適切だと思う。責任を1人に負わせることは、本当の意味での解決にはならず、会社全体で正面から問題に向き合わなくてはならない」と述べました。

posted by justice_justice at 08:56| ■(ケース)JR福知山線事故■ | 更新情報をチェックする
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