2009年01月29日

■『リア王』と『俳優のノート』ー09年1月の読書ーシェークスピア異聞 by Gishu


KingLear&Yamazaki00.jpg 親しくしている女性研究者の薦めで、『俳優のノート』山崎努を手にした。今年1月1日のことである。
 昨年の12月末三宮のジュンクに照会すると札幌の支店に文庫本が1冊在庫しているという。1月1日、湊川神社に初詣をした後、三宮へ。
 ジュンクのあるビルの上の階にまわり、喫茶店でバラバラと文庫本のページをめくっているうちにふと気づく。
 あわせてリア王を読もう。
何故なら、俳優のノートは、1998年1月に公演したリア王の役作りの話だからだ。俳優が、どうやってリア王に取り組むのか。その役作りの物語り。
日記風に、配役決定から千秋楽までの内面の動きが語られる。そして、山崎版『リア王』評論ができあがっている。

「リアは捨てて行く男である。リアの旅は、所有しているものを捨てて行く旅である。」
「リアの女性嫌悪は明らかに『母』からきている。」

 そのリア王は、コーディリアの死を前にして、「憤死」または「悲死」する。
 
And thou no breath at all? Thou'lt come no more;
Never, never, never, never, never.
Pray you undo this button. Thank you, sir.
Do you see this? Look on her ! Look, her lips!
Look there! Look there

、、、と叫びながら、リアは死ぬ。

 「He dies」 と挿入されているト書きがリアの悲しみを本の上からも表している。
 これを山崎は舞台ではどう表したのか。

「4大悲劇」の読み解き。ハムレットとリア王は、共通性と異質性を持つ。
リアは、独特の女性蔑視、嫌悪、拒絶感のために、結局、王国を混乱に陥れるだけではなく、すべてを失う。
娘3人は、それぞれが殺し合い、自殺する。そして、それを知ったリアも、死ぬ。命の源が断たれたためか。
拒絶の対象を失ったとき、自らも滅んでしまうほどの、喪失感に打ちのめされたのだろう。
 そんなリアを俳優として内面化して演ずる。
  「リアとの旅はスリリングだった」
  「リアよ、さらば」
 今日1月29日、俳優のノートの最後の行を読み終わり、すかさずリア王のペンギンブックをひもとく。
 コーディリアがフランス軍とともに上陸し、リア王と再開した場面で一度止めていた目通しを再開。
 乗っている新快速が、おりる駅に着くまでに読み終えた。
 1月29日、午後10時。同日にはじめた併行読書を終了。
 次にロンドンに行くとき、シェークスピア、リア王の軌跡をたどってみよう。
 
 
posted by justice_justice at 23:57| ●教養ー読書 | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。