2008年08月18日

●オリンピック前夜の上海を訪ねて by MAKIKO 


shanghai 

学会参加のため、初めて上海に行った。北京オリンピック前日まで、5日間の滞在だった。市内に入ってびっくりするのは浦東新区の中心である陸家嘴金融・貿易開発区の、新宿副都心を凌駕するほどの高層ビル群だ。しかも、ビル1つ1つのデザインが凝っている。変わった形のビルがたくさん集まっている様子はSF映画の未来都市を彷彿とさせる。長江の支流の黄浦江をはさんで、外灘(Bund)と呼ばれる租界時代の上海の中心地が広がり、当時の伝統的な西洋風建築物が多く残っている。外灘に立つと、この新旧の対比が左右に見渡せて大変興味深い。

また、空港から市街地をつなぐリニアモーターカーは最大時速430キロで、空港からの30キロの距離を7、8分で走る。あまりに距離が短いので、加速して最大速度になったあと、ほんの少し走るだけで減速しなければならないようだ。今のところ、ハイテクをアピールする目的以外には、あまり意味がない乗り物のようである。

学会の会場になった国際会議場に隣接する5つ星のホテルに宿泊したが、部屋に備えてあるエビアン1本の値段が80元(約1400円)なのに目が点になった。それに対して、中心街のマッサージ・サロンで1時間、夢心地でマッサージを楽しんだ値段が65元(およそ1100円)、さらにホテルからマッサージ・サロンまでのタクシー代が11元(約190円)と、大変お安い。外国人観光客を対象とするホテル内での物価と、一般市民対象の街中での物価との間の格差の大きさに、未だ先進国とは言えない現状を感じる。

さらに、買い物では、売り子が「値引きした」価格を提示するが、日本に比べると安いと思って購入すると、とんでもない損をさせられたことに後で気づくことになる。値切り続けていくと、最終的にはその価格のさらに半分以下の値段になることが多いからだ。最初に提示される価格が法外な高値なのだ。

時速430キロの超近代的なリニアモーターカーが存在する一方で、水道の水を飲むと下痢をするという衛生状況。中国最大の都会上海にはこのようなギャップが至るところにある。北京オリンピックを目指して急速に近代都市化した表の顔の裏に、いまだ発展途上国的要素が垣間見えるところが、現在のこの都市の面白さなのだろう。北京オリンピックが終わった後、このギャップが徐々に埋まっていって、本当の意味での先進国になるのか、あるいは、さらに大きな亀裂が生じて国家の存亡にかかわるような事態になるのか。「異形の大国」と呼ばれる中国の未来像はいかなるものであろうか。


posted by justice_justice at 01:16| □世界ーまきこ先生が観る | 更新情報をチェックする
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