2008年07月05日

■外国人と裁判員裁判ー司法通訳 by GISHU

■外国人の居る法廷。
 朝日新聞(大阪本社版)、2008年7月3日朝刊に、同誌が連載している「裁判員時代」と題する記事が載った。今回のテーマは外国人裁判である。
 実は、ブログ編集者の研究テーマの一つである。今年6月から8月にかけて簡単な勉強会を連続でやってみることにした。

■記事引用紹介。
 そのことも含めて、次のような記事になっている。やや長いが引用して、紹介する。
***<朝日新聞08年7月3日33頁引用>***

saibanin_foreign.jpg 甲南大法科大学院(神戸市東灘区)の模擬法廷に今月初め、関西一円の裁判所で働く法廷通訳ら約20人が集まった。裁判員裁判で外国人が被告や証人になれば、どんな問題が生じるのか。模擬裁判を通じて課題を検討する初めての勉強会だ。
 放火事件で目撃者となったペルー人への証人尋問を想定。通訳の女性は、裁判官と裁判員役が並ぶ法壇に背を向けて、証言台で証人が話すスペイン語を口頭で訳した。
 すると、通訳から最も離れた位置に座った裁判員役から注文が出た。「証人が通訳の方ばかり向いて話すので、表情がよく見えない。証言を信じていいのか、判断に困ることもある」
 勉強会を呼びかけた渡辺修・甲南大法科大学院長は「裁判員裁判は法廷でのやりとりが中心。通訳が訳した言葉や座る位置が適切かどうかで、裁判員の心証を大きく左右するだろう」と指摘する。
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■裁判員裁判と司法通訳ー雑感
 このこと、今後とも継続して検討する。研究会を通じて気のついたことを少し挙げておく。
(1)通訳人の位置が難しいー律儀な日本の裁判官は、従来型にこだわると推測する。しかし、被告人の目の前に通訳人をおくと、外国人は通訳人とアイコンタクトをとりながら話をする。
 つまり、裁判員とのコミュニケーションがとれなくなる。また、外国人のアイラインを法律家がコントロールできなくなる。自ずから、プレゼン力が弱くなる。
(2)たたみ込んだ反対尋問。
 弁護人が証人に反対尋問をするとき、証言の信用性が確かに崩れた、と裁判員にもわかってもらうのには、一定のリズムとテンポが必要だが、それが、通訳が介在するために、緩慢になる。反対尋問の効果が薄らぐ。
(3)礼儀正しい被告人。
 register
つまり、外国人の話す言語の「次元」と同一の日本語に置き換えるのは、きわめて困難だ。理由のひとつは、教養の高い通訳人に、ブロークンな日本語を使った通訳を期待できにくいことだ。
 そこに、原語と訳語のギャップが生まれ裁判員は、日本語のみ基礎に心証を形成するため、被告人の本当の姿との間にズレがでてくる。

■外国人の居る裁判員裁判の問題は各方面で検討が始まったばかりである。
 今後に期したい。

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