2008年05月29日

●Rの発音が語る民族のルーツ

「Rの発音が正しく出来たら、英語の学習は半分うまくいったことになる」とよく言われる。だが、Rの発音ほどバリエーションの多いものはない。英語のRはフランス語のRとはまったく違った音だし、ドイツ語、スペイン語などもRの音はそれぞれ異なる。中国語や日本語のようなアジア言語でその発音をRで表記していても、やはり言語によって音は全く違う。では、なぜそのような異なる音がみなRで表記されるのだろう。そこには1つの重要な共通点がある。それは、口腔内で、舌先がどこにもつかないということである。フランス語のように喉の奥を震わせるような発音にしても、スペイン語のように巻き舌の発音にしても、舌は歯の裏や上あごについていない。

では、日本語のRはどうだろう。実は日本語のRはRであって、Rでない。言い換えれば、Lの性質もあわせ持つ音なのである。ラリルレロと言ってみるとわかるが、舌先が微妙に口の中のどこかに触れている。もしどこにも触れないで発音すると、酔っ払いのように、いわゆる「ろれつの回らない」状態になる。かといって、Lの音のように舌先を歯の裏側にしっかりつけて発音すると、日本語にはまったくなじまない音になる。日本人は英語のRの発音が難しいと言うが、それと全く同じことが、英語話者が日本語を学習する時に起きる、彼らは日本語のラリルレロが正しく言えないのだ。言えないばかりか、その音を正しく認識できない。

かつて、コンピューターの音声認識ソフトを開発している研究所を訪れたことがある。本当に日本語を正しく認識するかどうか実験させてもらった。「ディスクが壊れるリスクがある」と機械に向かって話した。すると案の定、「リスクが壊れるリスクがある」と表示されたり、その逆で「ディスクが壊れるディスクがある」となったりした。コンピューターは日本語の「ディ」と「リ」の音をうまく聞き分けることができなかった。ある知人は自分の猫に「リス」という名前をつけたが、アメリカ人の友人はその猫を「ディス」と呼んでいたそうだ。コンピューターもそれと同じだった。「ディ」という音は、明らかに舌先を歯の裏側にくっつけて発音する。「リ」の音もそれに非常に似ているということである。やはり、日本語のラリルレロはRであって、しかもLなのだ。

数年前に、ハワイである発見をした。どこの資料館だったか忘れてしまったが、古い海洋図があった。そこにはハワイの地図が描かれており、何と、“Honoruru”と書かれていた。ホノルルのことである。もちろん現在の正しいスペリングは”Honolulu”である。このRとLの混同を目の当たりにし、私は感動した。日本人のルーツを見る思いがしたからだ。ハワイアンの人たちが現地語でホノルルと発音した時、アメリカ人にはそれがRかLか区別がつかなかったのではないだろうか。それで当初は”Honoruru”と表記したが、最終的にLを使う形に落ち着いたのではないだろうか。現在のハワイ語は、他の単語でもL表記が中心となっているのだ。

日本民族は太古の昔に多くの民族が混じり合って出来上がったと言われている。日本人の形質の多くは南方系民族のものらしい。東南アジアの人たちとそっくりな日本人が多いのはそのためだ。さらにもっと昔にさかのぼると、ハワイアンのようなポリネシア系の人たちとルーツが同じである可能性が高い。

昨年、ハワイのビショップ・ミュージアムに行った。そこの中庭で披露された「古式フラダンス」は、男性のダンサーが踊っていた。どこかで見たような動きだと思いつつ鑑賞していたが、突然はっと気が付いた。日本の有名な雅楽の踊りである「蘭陵王」の動きとそっくりなのだ。独特の水平の動きの特徴が非常によく似ている。Rの発音のことだけでなく、ここでもハワイアンと日本人は民族的につながっているのを強く感じた。







posted by justice_justice at 23:01 | TrackBack(0) | □世界ーまきこ先生が観る | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。