2007年08月16日

■シンガポールの3日(6)ーおわりに


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■今回のシンガポール調査は、むろん、専門である刑事裁判に関連することである。
 とくに司法通訳のシステムの確認。ここシンガポールは、英語、タミール語、中国語、マレー語が公用語でる。ただ、主に英語が行政語として使われる。法廷では英語が主だ。だから、当然、英語の理解が不十分なシンガポール国民のためにも、通訳人が不可欠。
 そこで、日本では考えられないシステムが導入されている。「法廷通訳人」制度だ。
 名称は日本にもある。しかし、シンガポールの法廷通訳人は、公務員たる身分をもつ。63才の定年まで勤めることのできる身分保障がある。
 高校または短大を出て、全国一斉考査で一定以上の成績を取り、通訳人公募試験で採用されると通訳人候補となる。1年間、公務員大学校での訓練を経て、通訳人となる。
■シンガポールの法制度は、もともと植民地本国であったイギリスを原型とする。これに、刑事裁判らしく、シンガポール独自のものをとりこんでいる。陪審はかなり前に廃止した。小規模国家だけに、重大事件は、最高裁判所に設置される高等裁判所部門が管轄する。軽微事件は、"Suboridinate Court”に設置されている地区裁判所とマジストレイト・コートだ。 
 そのSubordinate Court"は、MRTのチャイナタウンの北側すぐにある。中国語と英語の表示をたどれば、改札を出てすぐに建物がみつかる。

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■05年に調査に来たときには、高等裁判所で、2名の外国人メイドによる、女性社長殺害事件を傍聴した。法廷の基本構造は、イギリスと同じ。被告人は、"dock"と呼ばれる文字通りの隔離された空間に座らされる。審理の主人公ではない。そのために、代理人である弁護士がいる。
 通訳人は、"dock"のよこに立って、ささやき声で審理の進行を説明通訳する。被告人への説明は、記録に留める正式の審理の一部ではない。
 むろん、証人について通訳が必要なとき、逐次通訳が行われ、すべて記録される。
 多言語・多民族を前提とした通訳システムの整備。モノリンガルな国家=日本が直ちに参考にするべき必要性はないであろう。ただ、言語に対する機敏な対応が可能な教育の基盤があることはうらやましい。
 法廷をささえる裁判官も、弁護士も若手が多い。女性も多い。法廷のやりとりをみていると、シンガポールの国家としての活力が感じられさえする。これもうらやましい。また、シンガポールに来たい。

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posted by justice_justice at 23:11 | TrackBack(0) | ●観光(世界) | 更新情報をチェックする

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