2007年04月26日

■「巨神兵」の時代ーJR福知山線事故

■『風の谷のナウシカ』に登場する「巨神兵」。火の7日間で世界を焼き尽くした旧世界の兵器として作品に登場する。マンガでは、自我をもちナウシカを母親と思っているが、映画では、トルメキアのヴ王の第四皇女クシャナが残存する巨神兵を再生させようとするが、オームの襲撃を防ぐために急ぎすぎた活性化が腐敗を早め、崩れ去っていく。
■昨日4月25日、JR福知山線の事故から2年。
 107名死亡、562名負傷。巨大な事故。
 この事故を思うとき、いつも「巨神兵」を思う。
■21世紀の日本。この国を歴史的に、巨視的に見通したとき、日本列島を我が物顔に支配し、動かし、そして、破壊しつつある巨大生命体が、うごめいているのが見て取れないか。
 「組織」。
 人間の積み上げでできあがる巨大生物。独自の構造と意思と思考をもち、「組織の利益」という本能に従って、構成物=人を動かす。
 その中に、たとえば、JR西日本のように、日本のインフラを支える大切な役割を支えつつも、一旦「過失」「故意」で犯罪を犯せば、個々の人間の存在感を一瞬にして吹き飛ばす巨大な破壊力を持つ。
 ナウシカの世界での「火の7日間」。
 シンボリックな期間の設定だ。21世紀の前後に、この「7日」が始まっているのではないか。
■ 福知山線事故に関する調査委員会報告書(案)が机上にある。
 事故に至る物理的科学的メカニズムの解明の点で、わかりやすく、詳細である。我々素人もゆっくり読めば、専門性に関わる計算式などはさておき、事故の概念把握はできる。
 しかし、それは、自然法則的な側面での分析だ。
 「人為的なもの」。表現を変えると、JR西日本に潜む「巨神兵」に化する危険性の分析はない。
 速度超過、脱線、、、これを関知するメカニズム、それをコントロールする危機管理体制、事故直前にこれを防ぐためのフェイルセイフの有無、、、、
 その解明はない。
■「組織」が巨大化し、人間の人間らしい生活が組織存続のための歯車にされている。その時代背景の中でおきた巨大過失犯罪。
 これを、組織に組み込まれた一人一人の「人」の刑事責任として捉えることは、意味がない。
 「組織」への制裁。場合によっては、安全が確保できる措置がとられていると判断できるまで、JR福知山線を停止する強い措置がいる。組織がこの国を滅ぼす前に、組織の犯罪を断固として防ぎ、小さく、か弱い一人一人の人間の生命と生活を守る大胆さが必要ではないか。
■「法の世界」の常識とはかけ離れた夢物語の提言だが、巨神兵の時代をそう認識して、時代を読みきらなければ、この小さな国日本の1億の民は、巨神兵に滅ぼされるのではないか、、、、と思う。そんな思いを地元神戸新聞の記者と話していたところ、次のようなコメントにまとめてくれた。

***◆神戸新聞04月24日(朝刊)◆***
 甲南大法科大学院教授の渡辺修(刑事訴訟法)は、不祥事隠蔽(いんぺい)などが続発する日本企業全体の問題に重ね「刑法は個人の責任を問うものだが、企業も裁けるような法整備が必要。もはや企業のモラルには期待できない」と話し、「地域独占企業の体質を変えるには、利用する市民も痛みを共有する覚悟が必要」と続ける。
 例えばJR西が事故を起こした場合、再発防止策が確立されるまで全線運行中止などの罰が与えられる。安全な公共交通を手に入れるため、社会は不便さを甘受する―。

posted by justice_justice at 05:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ■(ケース)JR福知山線事故■ | 更新情報をチェックする
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